2008-01-01から1年間の記事一覧

夏の終わり

暑かった島の夏も過ぎて、朝晩の涼しさには、もう秋の気配がしてきましたよ。アトリエの三階から見渡す(一昨日の写真)と、早くも島桜の葉がところどころ黄色く色づき始めています。もうしばらくしたら、一段と枯れ葉色に変化して、台風でも来ればすっかり…

カレーライスの皿

カレーライスは日本の国民食だという。ぼくもフツーに食べるけれど大好物ではないな。それでも暑い夏には無性に食べたくなるから、季節の洋食という感じですか。 明治時代に英国(特に英国海軍)から入って来たカレーは、すでに米飯とセットだったというから…

夏休みのボサノバ

今年は残暑も強烈ですね。島のアトリエでの日々も、朝の涼しいうちに絵(趣味のほう)を描いたり動きまわったりして、昼下がりにはシエスタがすっかり定着しました。これは多分にトシのせいでしょうな。部屋に入る風が少ない日は、庭に打ち水をして、大きい…

博士の異常な愛情

スタンリー・キューブリック監督のアーカイブスという、重たくて大きな作品集です。あの《2001年宇宙の旅》や《時計じかけのオレンジ》、最後となった《アイズ・ワイド・シャット》に至るまで、すべて好きな映画ばかりのシーンが満載なので、何度見ても見飽…

冷や飯を食う

真夏のお昼ご飯には、炊いた後で自然に冷ましたご飯がうまい。谷道さんの吹きガラス製ご飯茶碗がピッタリするので、夏にはこれを愛用しています。暑い時に陶器の飯茶碗やドンブリはちょっと願い下げたい。やはり真夏には、磁器の器と、目に涼やかな日本のガ…

葦簀とトルソ

夏の島での必需品のひとつが、どこでも売ってる葦簀(ヨシズ)です。日中の強烈な日差しさえ避けられれば、室内はクールダウン。海からの風が涼風に変わる。コレで今年もクーラー嫌いのまま何とか生き延びそうだ。このトシでは島に熱帯夜が無いこともありが…

マイヨール美術館

猛暑中お見舞い申し上げます。今年も異常に暑くなりそうですね。 「芸術新潮」八月号、ぼくの美術コラムは、彫刻家アリスティード・マイヨールと写真家ブラッサイの話題です。夏だからヌードはいいですね、と編集者三好さんからの助言?もあり、現代ではやや…

決定版! 鳥の図鑑

イラストというと、現代の風俗流行に沿って移り変わりするものと思われがちですね。その時代の広告や雑誌に用いられる類いのイラスト。しかしそれらは昔の言葉で云うなら「風俗画」と呼ばれ、派手で目立つけれど一過性のもので、イラストというジャンルの一…

信太郎うちわ

まだ梅雨明けではないというのに、この蒸し暑さ! 外出時にはヤツガレも扇子が欠かせない。しかしサングラスをかけて、扇子であおぎながら道を歩いていると、アブないと思われるのか人がよけて通る。なので歩く時には扇子をガマン。外ではコレがつらいです。…

新茶のルーツ

中国雲南省にある世界最古の茶の原産地取材を、NHKハイヴィジョン特集「茶馬古道」という番組で観た。最古の茶の原木は樹齢が千年という大木が残っていて、まだ生き生きとしている。人が植栽した茶の木は千五百年たっても、まだまだ新芽を摘むことができ…

法隆寺百済観音の謎

百済観音というキーワードで、毎日のように2,3人の方が検索されて、当ブログへ来られる。[id:osamuharada:20061225] あまりネットで他に書かれていないせいでしょう。 百済観音は、法隆寺にあまたある仏像中で比類なき存在であるにもかかわらず、その出自…

京都祇園 ぐりる金星

だいぶ前に書いた、ぼくの京都で一番好きな料理屋さん、『ぐりる金星』のホームページができたので紹介させていただきます。天才シェフだった初代マスターの写真がとても懐かしい。毎週替るメニューも出ているので、ああもうジュンサイの季節か、鱧も出たか…

ティト・プエンテのティンバレス

夏が近づくとラテン音楽が聴きたくなるもんですね。今年は久しぶりにサルサの王様 TITO PUENTE の、歯切れ良いパーカッションが気分です。ラテンの太鼓ではコンガやボンゴもいいけれど、スティックでたたくティンバレスの音色を聴いていると、トシがいもなく…

雪岱ゑがく夏物語

7月号の芸術新潮、ぼくのコラムは小村雪岱です。今回も自前で、昔から持っていて永年眺め続けていた木版画のうちから二点。『蛍』(右の写真はその部分)と、団扇絵の『月』という作品です。夏にちなんだ画題であるのと、挿絵的な解釈をぼく自身がしている…

観葉植物

なんとなく鬱陶しい梅雨の季節。室内に活き活きとした植物があると、それだけで気分が爽やかになるから不思議ですね。 島の市場で、小さな葉がひとつ芽生えたばかりのヤツガシラを買って水栽培をしてみたら、あっという間に沢山の葉が出てきた。細長いハート…

夏の菊六落語会

恒例となりましたパレットクラブ寄席。お待たせいたしました!第五回目の『古今亭菊六落語会』お知らせです。梅雨も明けて、いよいよ夏になる頃の夕べのひと時、ごゆるりと古典落語をお楽しみ下さい。 たゝむかとおもへばひらく扇かな 万太郎 第五回・古今亭…

アジサイと統計

先週末、梅雨の晴れ間をぬって、島のアトリエに古くからの友人達がやってきた。オール団塊世代。統計によると、団塊(嫌な言葉だな)の男性25%が、還暦過ぎてからやりたい事の一番は、ゴルフだそうだ。今回男女合わせて7人のうち、男2人は島のゴルフ場…

深夜のテニス観戦

映画だけを観るためにWOWOWに加入したのだけれど、三年ほど前からテニスのグランドスラム生中継を観ていたら、とうとうハマってしまった。スポーツ嫌いだったのに何故だろう?と自問してみても解からない。一対一というところがいいのかな(ダブルスは…

島のミルク

またローカルな話。 古くから酪農の伝統がある、島の名産牛乳が、去年は倒産の憂き目にあって休業していた。地元のうまいミルクが飲めなくなってガッカリしていたら、今年ついに復活してくれたので嬉しかった。 大手メーカーの牛乳九割りは、超高温の130℃…

鈴木信太郎デザイン

最近はこのブログへ、「鈴木信太郎」のキーワード検索で見にこられる方が、毎日二、三人はいらっしゃるので、信太郎先生応援団としては張り切ってまた書いちゃおう! 油絵が本業の鈴木信太郎画伯ですが、挿絵でも大衆的人気があって、お菓子屋さん、レストラ…

島のサクランボ

今日は一日雨模様。晴天だった一昨日、いつもの散歩道を歩きながら桜の枝を見上げると、小さな桜の実がなっていた。小鳥たちが食べた後か、すでに残り少ない。青空をバックに高い所で赤や紫の実が、可愛らしくぶら下がっている。そういえば島の子供たちは、…

服部竜之進の謎

昨日発売の芸術新潮6月号、ぼくのコラムは、赤塚不二夫の生んだキャラクター「服部竜之進」なのだッ! 70年代の大人向けマンガ(週刊文春に連載)だったので、知る人ぞ知る竜之進。少年マンガ嫌いのワタクシが唯一大ファンになりました。そのわけはコラム…

ロハスから、トヨスへ。

ぼくの地元のローカルな話。 東京築地中央卸売市場の引越し移転先、豊洲(もと東京ガス跡地)から、環境基準を遙かに超えた4万3000倍!という土壌汚染の調査結果が発表された。ベンゼン、シアン、砒素、鉛、水銀、など猛毒物質が地中に残存している。現…

オキュパイド・ジャパン

六本木で、林忠彦 写真展「カストリ時代」を見る。敗戦直後、焼け跡の生々しい銀座風景。外地から引き上げて帰京した兵隊達の疲れ果てた顔、顔、顔。林忠彦もまた同じ復員兵の一人で、帰還直後からカストリ雑誌などで報道写真の仕事を始めた。その時代のネガ…

泉鏡花『歌行燈』

本好きなほうだけれど、近年ますます小説だけは読まなくなってしまった。特に現代小説は読む気がおきない。ある雑誌から、どんな小説を読んでいるのか?と質問されたけれど、返事に窮して小説は読みませんと答えてしまった。スイマセンでした。 後で思い出し…

プラダを着た悪魔

散歩の話の続きです。 青山界隈での散歩コースでは、根津美術館の庭(昼間は誰でも入れた)を、十代の頃から好きでよく歩いていた。現在は美術館の建て直し工事中のため入れないのがツラい。高樹町方面も日赤が只今大工事中で歩くには落ち着かない。仕方なく…

散歩の友

若い頃から一貫して変らずの、散歩好きです。フリーランスのイラスト稼業の良いところは、自由に時間配分ができるので、いつでも思い立ったらすぐ散歩OKな点。なので外をウロチョロ歩き回るのが、このトシまで長年の習慣になっている。「散歩の達人」とい…

寺町通りのムサシ

犬の絵を載せたら、先日京都での、犬のことを書きたくなりました。 京都の朝一番、ちゃんとした煎茶を飲むため寺町通り「一保堂」喫茶室に、きまって通います。それから寺町通りをブラっと散歩するのが、すっかり習慣になってきた。 二条を下がると、金属工…

エルブグレンのチーズケーキ

今日発売の「芸術新潮」五月号、ぼくのコラムは、前にこのブログでも書いたアメリカ50年代のイラストレーターELVGREN についてです。広告用のイラストレーションでは、本来無記名であるため作者名が知られることはないのですが、エルブグレンの名声は「ピン…

京都府立植物園

昨日は好天気の京都で、遅咲き桜や芽吹き柳を見ながら散歩をしました。 賀茂川沿いの土手を歩いているうち、久しぶりに植物園をのぞいてみようかなと思い、入り口脇の入場券自動販売機の前で並んでいると、団体客を牽引して来たお姉さんの、六十歳以上の人は…