京都府立植物園

osamuharada2008-04-21

昨日は好天気の京都で、遅咲き桜や芽吹き柳を見ながら散歩をしました。 賀茂川沿いの土手を歩いているうち、久しぶりに植物園をのぞいてみようかなと思い、入り口脇の入場券自動販売機の前で並んでいると、団体客を牽引して来たお姉さんの、六十歳以上の人はタダですから身分証明書を見せて先にお入りくださーい!という声が聞こえてきた。遺憾ながらヤツガレも六十代、待たずに入れるならいいやと列を離れ、入り口のオジサンに運転免許証を見せたらあっさりと通された。ありがたいような情け無いような。 日曜日なので家族連れや老人(六十歳以上)が多いけれど、ここの良いところは観光客が少ないことで、桜の下の酔客もゼロ。静かで小鳥たちの声も朗らかに聴こえる。ほとんどの桜は終わりかけていて、なかに早くも爽やかな緑の葉だけになっていたのは、島と同じオオシマザクラだった。 梅の木にはもう小さな梅の実がなっている。すこし風が出て冷えてきたので、つい暖かそうな温室へと足が向かっちゃうのは、立派な六十代の証明か? そこでもまた入場無料の免許証でOKだ。コレも慣れると結構いいもんですね。 大きな温室はいつ来ても楽しいし、特に椰子の類いが好きなので見飽きない。いきなり熱帯のジャングルにいる。今度は暖まり過ぎて汗ばんできた。 北の門から出て、北山通りを歩いてみると、バブルの昔、オシャレだった店はもう一軒も残っていなかった。通りは安っぽく変身している。そういえば河原町通りもパチンコ&カラオケだけの街になってしまったし、近頃の観光客はただ買い物とグルメ巡りをして帰るだけ。こうして街や人は変ってゆくけれど、年年歳歳花不断、植物園はやっぱりいいな。タダだしね。
散歩の途中では、太秦広隆寺弥勒菩薩(半跏思惟像)をまた見ました。何度見てもこれはほんとに凄い。奈良法隆寺百済観音と双璧をなして、ぼくの美術遍歴中、彫刻作品の最高位です。1300年も昔の仏像が今も新しい芸術。というより言葉にならない高次元の存在なのでした。やっぱり京都は時空を超えているところが一番魅力ある。