寺町通りのムサシ

osamuharada2008-04-26

犬の絵を載せたら、先日京都での、犬のことを書きたくなりました。 京都の朝一番、ちゃんとした煎茶を飲むため寺町通り「一保堂」喫茶室に、きまって通います。それから寺町通りをブラっと散歩するのが、すっかり習慣になってきた。 二条を下がると、金属工芸の老舗で超有名な「清課堂」さんの店先に、天気が良いと柴犬が必ずつながれて、いつも日向ボッコをしているのです。たいがい軒先に座布団ひとつとセットで出ています。 このコを見たくて、ぼくの煎茶+犬の寺町通りコースが定番になっています。このコを好きな理由は、いくらデッカイ頭を撫で回しても知らん顔するその表情がいいこと。 もし通りの向こうに散歩中の犬を発見したりしたら最後、いつまでも小さな奥目で、うらやましそうに遠くよその犬を見送り続けて、人のことなんか完全に無視する。 アイツが散歩に連れてってもらってんのに、なんでオレだけつながれてんのかヨ、といった感じ。 どうも同類の犬以外に興味がなく、人間には何されてもワレ関せずで、つまり無愛想なわけ。無駄に尻尾なんか振ったりしませんよ。 しかし弁護するわけではないけれど、そこがこのコの最大の可愛らしさなのです。ベタベタと人に媚びない。だからといって人に反発はせず、時にはもたれかかったりして微かに甘えるらしきこともする。 以前から比べると、頭が異常にデカくなってきて、尻すぼみ犬になってしまった。これじゃァ顔だけ見てると秋田犬で、下半身はマメシバじゃないかよ。 しばらく無視されながら側にいたら、当店の常連客らしき着物姿の、たいそう品の良い女性が中から出てきて、「このこの名前はムサシちゃんですよ」と親切に教えてくれた。で、やっと名前が判明。ぼくは「顔デカ犬」と、勝手にアダ名を付けてたから、そんな男らしい立派な名前があったんだと聞いて笑ってしまった。ついでに年齢を聞くと、女性はまた店の中に戻って聞いてきてくださった。「十歳だそうでーす」と、これでトシヨリなのが判った。 いつか寺町通りを歩いたら、ムサシのデカ頭をさすってあげてくださいね、きっと何かの御利益がある!ワケゃないか。
前に書いた寺町一保堂茶舗 [id:osamuharada:20050308]