雪岱ゑがく夏物語

osamuharada2008-06-28

7月号の芸術新潮、ぼくのコラムは小村雪岱です。今回も自前で、昔から持っていて永年眺め続けていた木版画のうちから二点。『蛍』(右の写真はその部分)と、団扇絵の『月』という作品です。夏にちなんだ画題であるのと、挿絵的な解釈をぼく自身がしている事を書いたので「夏物語」というタイトルにしました。いつもコラムで難しいなと思うのが、図版が小さいのと、印刷では実物の美しさの10%も出ていないことだけれど、これは雑誌だから仕方ない。ブログではもっと無理。しかも素人の拙い雑文で、視覚的な美術の良さを人に正しく伝えるのは、ほんとうに難しいもんだな、などといつも忸怩たる思いで書いています。それでもコラムの連載を続けているのは、ただただ美術が好きで黙ってはいられないという、いたって単純な理由からなのです。例えば、もっと小村雪岱を多くの人に知ってもらいたい。大げさに言うと、現代人が忘れかけてしまった日本人の美意識を、もう一度思い起こして欲しい、というようなワケですね。