2012-01-01から1年間の記事一覧

機上にて

曇り空の那覇空港を飛びたって、しばらくすると雲海の上に出た。どこまでも晴れ渡り、青空以外に何も無いところがいっそスカッとして気持ちよい。またちょっと短い旅にでる。 空を眺めながら、暮れようとしている今年一年を振り返えってみようとしたが、つい…

DOOM and GLOOM

贔屓の女優ノオミ・ラパスが、ストーンズ新曲のプロモーションビデオに出演している。それも映画「ミレニアム」のリスベットを彷彿とさせて、超パンクでカッコいい。おん歳六十九才のミック・ジャガーとの競演ブリも板についている。ミックはこのトシでこの…

冬の沖縄日記

衆寡敵せず。はじめから出来レースの選挙合戦も終わり、やっと静けさが戻って来た。東京の喧噪と寒さを避けて沖縄に来ているので、これでしばらく落ち着くことができそうだ。イラスト稼業のほうも、代理店にデータ原稿を明日メールで送れば、ひと足お先に今…

ミサイル日和

昨日の朝は、暖かくてつい寝坊してしまい、北朝鮮ミサイルが発射されたニュースに気がつかなかった。町内アナウンスもあったらしいが、まったく聞こえてこなかった。今日も沖縄本島南部は何ごともなく穏やかな日が続いているが、中部北部では米軍オスプレイ…

軍隊と総理大臣

原発はプルトニウムをつくりだすための装置で、対外的には「核抑止力」として機能している。と読売新聞が社説でバラしていた。国内向けには「核の平和利用」、外国に向けては「核武装」と平気で二枚舌を使ってきたことになる。原子力ムラとは、軍産複合体が…

冬の沖縄日記

夏のヒートアイランド東京を逃げ出したように、こんどは冬の寒くて震える東京を避けて沖縄へやってきた。暑さ寒さにひ弱な高齢者という言いわけもできるが、東京にいては醜悪な選挙合戦がうるさくて不快だということもある。フザけた東京都知事選なども、こ…

リトアニア

「ウクライナとベラルーシ」の続き。日本の日立製作所による原発建設計画を、国民投票で完全に拒否した国「リトアニア」の最新情報。 今月、総選挙で発足したリトアニア新政権は、さっそく国会で原発計画凍結の法的手続きを審議するそうだ。新首相は「リトア…

築地名物 あんこクロワッサン

東京の地元、築地場外市場が、ある理由でガゼン面白くなってきた。なにしろ、もう太平洋岸、関東以北の魚介は口に入れないぞとガンコに決めたので、全国から海産物が集合する築地の市場は、好きなものだけを産地で選ぶことができちゃうから便利なのだ。こん…

捨てられないTシャツ

寒くなってきたので、避寒を兼ねて沖縄にやってきた。那覇空港へ着くと、薄手のダウンジャケットとカーディガンを脱いで、長袖シャツだけになったが、それでもまだ暖かい。まわりを見回すと地元の人は半袖シャツを着ている。湿度も充分ある。ヤツガレは幼少…

先生の絵

アトリエ別棟二階の、ささやかな玄関の壁には、川端実先生のアブストラクトが掛けてあります。ニューヨークへ行かれる前の作品で、先生はまだ四十代。「朝の太陽」とキャンバスの裏側に、珍しくも題名が自筆で書かれている。油彩で、下地に砂が定着してあり…

ウクライナとベラルーシ

今年の七月、ベラルーシ共和国で、新たな原発2基の建設が決定したというニュースがあった。ロシアが融資をして、ロシアが建設をするよし。ベラルーシといえば、短編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を獲得した、あの映画『チェルノブイリ・ハート』(200…

「まるたか」のマッチ

蜘蛛の巣が張っているアトリエの倉庫にて、流行の〈断捨離〉をこころみるも、しまい込んで三十年ぶりに見る懐かしい物は捨てがたい。日本橋にあった酒亭「まるたか」のマッチが出てきた。作家の宇野信夫と、新派俳優の花柳章太郎が交代で描いた木版刷り。こ…

Osamu Goods ノート

アトリエの、絵の虫干しが終了して、片付けをしていたら、スケッチブックからオサムグッズの人形ラフスケッチがこぼれ出てきました。絵画とイラストは、きっちり分けてしまっておいたはずが、何故か絵のほうにまぎれこんでいたようです。またどこかへほうり…

アトリエ日記

夏に本の虫干しをした続きで、こんどはアトリエに積み重ねてあった絵の虫干しをする。ついでに古い掛軸も、箱から出して壁につるし干してみた。これは祖父の形見にもらった、松林桂月(1876〜1963)の水墨画。神社の拝殿の、あの大きな鈴です。軸の長さは2m…

JAZZと演歌

つらつらおもんみるに、戦後になって出現した【演歌】というものは、民謡+浪曲+POPS+JAZZなどで合成した、和洋折衷のまったく斬新な音楽だったのではないかなということ。「和魂洋才」といったって過言じゃないでしょ。しかし西洋かぶれの団塊世代あたり…

映画『裸の大将』

【また映画の話題です】 立ち読みした週刊文春の、小林信彦さんのコラムで、映画監督・堀川弘通さんが亡くなったことを知った。九十五歳。堀川監督といえば、ぼくには1958年『裸の大将』という大好きな映画がありました。懐かしい山下清のプリミティブな風景…

撮影・宮川一夫

夏にWOWOWで黒澤明監督特集をやっていました。ハイビジョン・リマスタリングされた画像がフレッシュで、こういう技術の進歩は嬉しい。半世紀前の映画なのに、たった今プリントがあがったばかりのようだった。映像ということでは、なかでも宮川一夫が撮影した…

女優の本

フランスと日本の、女優の本を読む。アルレッティ(古本)と岡田茉莉子(新刊)の二冊。ぼくの場合、好きな女優さんというのは、どの映画の、どの役柄かによるので、その女優が出ていれば何でも好きという狂信的ファンではないのであります。偉そうなこと言…

アトリエ日記

今年の夏は、築三十年もたったアトリエのメンテナンス工事をした。春に雨漏りがしたので、台風にでもなったら大変だとあわてて屋根の工事を頼んだ。防水屋さん,大工さん,ペンキ屋さんと東京から来てもらって、まる一週間かかった。人間も建物も、やがては…

邪馬台国論争・一大國

【古代史好きのかたへ】 中国・朝鮮・日本の友好関係に興味があるかたも(ただし2000年前) 出版不況ながら、とりあえず〈邪馬台国論争〉の本を出せば多少は売れるらしく、また本屋で新刊本を見つけた。書名は『日本古代史を科学する』。帯の惹句には《 学会…

映画評論家

近頃の映画評論家が書いたものは、映画の宣伝広告には必要でしょうが、たいがいアテにならないから見る前には読まないことにしている。つまらん映画を、ああだこうだホメたりケナしていれば、もしかして見方によっては面白いのかな?と勘違いして、見てみた…

電車のクマ

墓参で、久しぶりに田園都市線に乗ったら、ドアのところに昔ぼくが描いたクマがいた。おー、まだこんなところで働いていたのか、と懐かしい。コレは30年くらい前からのクマで、東急電鉄からの依頼でした。子供がドアの戸袋で手を挟まれないように、と注意…

真打・古今亭文菊

昨日、菊六改メ古今亭文菊の、真打昇進お披露目パーティーに行ってきました。帝国ホテルで、しかも500人ちかくを集めるとはビックリです。昔の噺家には、かつてなかったことでしょうが、これも昨今の流行だそうです。つくづく落語の世界もずいぶん変わっ…

抜本的な夏

暑かった今年の夏もようやく過ぎようとしている。島では蝉の声がおとなしくなってきた。ときおりひんやりした風が部屋に入ってくる。 こないだお盆でちょっと東京へ戻ったときには、ヒートアイランドの異様な熱さに驚いた。コンクリートの外壁が夜になっても…

ノオミ・ラパス

《好きな女優で映画を観る》という小林信彦さんスタイルを、ぼくもちょっと真似してみたかった。二年前の『ミレニアム』シリーズで、すっかりファンになったスウェーデン女優ノオミ・ラパスの最新作『プロメテウス』。再び新鮮な驚きとともに、その演技力に…

散歩と杖

このごろは杖をついて散歩に出かけるのが習慣になってきた。情けないけれど、杖を手にすると安心して歩くことができちゃうのだ。十年ほど前に、膝を痛めてひと月ほど辛いおもいをしたことがあり、そのときにたまたま買った竹の杖がいまになって役立ってきた…

東京の歌謡曲

島での夏休み。YouTubeをパソコンの音声出力から、プリメインアンプにつないで、大きなスピーカーで鳴らして聴いています。検索すると、’60 ’70年代の歌謡曲が簡単に見つかり、すぐに聴けるのが嬉しい。ちょっとハマったのは、「東京」という言葉をタイトル…

菊六改メ『古今亭文菊 落語会』

お知らせ。 お待たせいたしました。パレットクラブ寄席の第十六回目は、このたび、めでたく真打ち昇進につき『 古今亭文菊 落語会 』と改めさせていただきます。文菊のこれからも努力精進をおこたらず、本格的な古典落語を目指すことに変わりはないでしょう…

本の虫干し

留守中、本や画仙紙などしまっておいた押し入れに紙魚(しみ)が出たらしく、若いころに年長の方々からいただいた書簡類がほとんど喰われていた。ひどくガッカリしています。和紙や糊を使っているものが紙魚という虫の好物らしい。しかし和綴じの本はすべて…

梧陰静観

《 たかが電気のために、なんで命を危険にさらす 》と誰かがいったそうだが、危険なのは〈原発〉だからであって、〈電気〉ではないと思うな。 島のアトリエでは、昔から離島だけでの電気を使っている。東京電力の天然ガス火力発電所のみで、充分に足りていて…