2009-01-01から1年間の記事一覧

雪岱と年末進行

ひさしぶりに、出版界恒例の「年末進行」を体験しています。印刷屋さんが冬休みに入るので、いつもより早めに雑誌の入稿をしなければならないのです。プロの雑誌編集者には年末年始の休みは無い。若い頃にはイラスト稼業のほうの、年末進行体験をしたことが…

舩木さんの煎茶茶碗

師走は、何かとやっぱり忙しくなるもんですね。来年の芸術新潮、小村雪岱特集のための原稿〆切も近づいてきた。机の上には関連資料がいっぱいで落ち着かない。イラスト教室のセンセイも連日ある。 こういう時こそ、まずは煎茶を喫して気分をリフレッシュしな…

平つかの犬張子

今年の夏、超個人的にビックリしたことといえば、ヤツガレにも孫(男の子)ができて、とうとう正真正銘のジイサンになったことでした。 秋に銀座の「平つか」さんの前を通りかかったおり、ウィンドーに犬張子が飾ってあったのを見つけたので、平つかさんのご…

沖縄の友人

今年は久々に沖縄の親友に会いにゆき、ミリタリー・コロニーとしての沖縄問題について、彼の怒りと苦悶を身近に感じました。 日本にある米軍基地のうち75%も小さな沖縄本島に押し付けて、知らん顔しているヤマトンチュ(本土の人)のひとりとして、ぼくは…

晦庵のざくろ

京都で定宿にしている蹴上の「都ホテル」。シーズン中だからホテル内の奥の山側にある「佳水園」はとれないだろうなと思っていたら、やはり今年は観光客が減ったせいか空いていた。ここが良いのは日本式旅館のようでホテル式なところ(部屋での食事なし)。…

京都・珈琲屋さんと絵具屋さん

紫野の「はしもと珈琲」で桜井さんが淹れる旨いウィンナー・コーヒーを飲んでほっこりしていたら、アキオブレンドこと猪田彰郎さんから電話があった。桜井さんは珈琲職人猪田さんのお弟子さん。早速ぼくに替って、猪田さんがアキオブレンドをご自分で淹れて…

今年の京都紅葉

去年はちょっと早すぎたけれど、今年の京都は紅葉の真っ盛りに間にあった。不況で京都も観光客が減ったそうだが、それでも観光スポットだけは繁盛していた。鹿ヶ谷の『泉屋博古館』(住友のコレクション)にて、所蔵の「富岡鉄斎」展を観た。大げさな宣伝な…

シスレーと印刷

12月号の芸術新潮、ぼくのコラムは「光と雪のシスレー」です。印象派の風景画家アルフレッド・シスレーについて書きました。日本ではマイナーな感じなので、話をしたって誰も知らない。書かれた本もない。ぼくが思うには、シスレーの絵は西洋というより東…

チョコレートの季節

寒い季節になると、何となく欲しくなるのがチョコレート。というものだと勝手に決めつけています。“People Tree”というところの、レーズン&カシューナッツと、オレンジの2種がバカに気に入ってしまったので、三年くらい前の秋から、毎年コレばかりを用いて…

イラストノート余談

現在、イラストの専門雑誌『イラストノート』に、ヤツガレが老醜をさらしております。詳細はオサムグッズのHPに→http://www.osamugoods.com/news/0911.html 右写真はその扉ページであります。送られてきたその雑誌をよく見てみたら、一回り年下の飯田淳ち…

六本木裏道さんぽ

六本木の交差点に立つと、いつも目まいがする。十代の頃の60年代には、友だちの家や店もあり、ぼくにはノンビリとできた隣り町であったのだが、やがて高速道路が横断するとドンドン六本木は様変わりしだした。70年代高度経済成長、さらに80年代バブル経済と…

ステイシー・ケント

映画『男と女』の中の、Samba Saravahという曲で思い出したのが、十年ほど前にハマった、英国の若手ジャズヴォーカリストのステイシー・ケント。五年前にフランスのブルーノートに移籍して、最初にシングルで出た曲がこの「サンバ・サラヴァ」でした。 元は…

子供の頃の絵

これはヤツガレが御幼少のミギリに、箱根でお絵描きをしたものであります。倉庫で探し物をしていたら、思いがけずこの古い画帳を見つけ出しました。箱根のあちこちをスケッチした中に、この絵がありました。これを描いた子供の頃が、実に懐かしく、さらに拙…

花梨の香り

古今亭菊六が、くだんの大賞をとった時の番組は、11月23日 午後1時5分から、NHK総合テレビで放送されるそうです。是非ご覧なすってくださいまし!(席亭) 菊六君が授賞した演題は『豊竹屋』という噺(ウィキペディアにあらすじが出ています)。 ぼ…

アヌーク・エーメとBICOT

ハタチの頃に観て、いまでも好きな映画『男と女』(1966年です)。だいたい恋愛映画は嫌いなんだけれど、コレは別格でしたね。 若きクロード・ルルーシュ監督自身が、手持ちカメラで撮った映像がカッコイイ。映画とは視覚にうったえかける「映像」で決ま…

いじわるばあ讃

芸術新潮11月号のコラムは、長谷川町子の漫画『いじわるばあさん』について書きました。多分、芸術関係の雑誌じゃあまりマジメに取り上げないだろうから、と意表を突いてみたワケ。 例によって下調べが楽しかった。桜新町の、おなじみ長谷川町子美術館へ出か…

メレンゲと煎茶

煎茶にメレンゲのロッシェ(焼菓子)が合うことに気付いたのはパリだった。外国旅行でも必ず茶葉だけは持っていく。朝まず、煎茶を飲まないと一日が始まらないタチなのです。で、たまには茶請けに何か甘いものでもと、パリでもイロイロ試してはみたけれど、…

シスレーの空

12月号の芸術新潮に、印象派の風景画家アルフレッド・シスレーについて何か書くつもりで、画集を眺めていた。 いつもコラムのテーマは、ぼくの好きな美術家をアトランダムに選んでいます。実は苦手な原稿を書くより、その下調べをしている時間が一番楽しい…

秋の古今亭菊六落語会

斧・琴・菊六! 古今亭菊六が昨日「NHK新人演芸大賞」で、大賞を授賞したとの嬉しき知らせあり。 東西「二ツ目」クラスの若手77人中でTOPに躍り出ました。スゴいことになってきちゃったよ。 授賞の演題は「豊竹屋」。この大賞は、若手落語家の登龍門…

散歩できない根津美術館

三年半もかかって、やっとリニューアルしたばかりの根津美術館。昨日、散歩がてらに行ってみたら、連休で異常な賑わい。美術館の建物は、武家屋敷の長屋門のような、暗い外観に変身していた。入り口のほうから眺めると、その長屋門に連なって総ガラス張りの…

沖縄土産

観光や買い物が目的で沖縄へ行ったわけではないけれど、何かいいヤチムン(焼物)でもないかなと、お定まりコースの壺屋と読谷村(40あまりの窯がある)を見てみた。ところがこれにはガッカリ。せめてひとつでも使ってみたくなるような、自分の飲食するも…

沖縄の熱帯植物園

那覇から北へ移動して、恩納村のS家の別荘に四日間滞在。家の周囲は、椰子や芭蕉などで埋もれそうなくらいに草木が繁茂していたので嬉しかった。トロピカル好きとしては、亜熱帯の沖縄にいても、さらに南の熱帯地方の植物を見てみたくなり、友人に熱帯植物…

沖縄の博物館・美術館

昨日まで三日間、【沖縄県立芸術大学】に美術の講義を頼まれて、絵画専攻クラスへと通った。夜は連日、泡盛など飲みながら皆で芸術談義に熱中して楽しかったが、とにかく熱帯夜で暑いッ!のなんの。こっちでは当たり前のように真夏日が続いているのです。ま…

小川軒のモンブラン

もう出た頃かなと、いつもの新橋小川軒カフェへ。マスターがにこやかに、ちょうど出たばかりなんですよ今年のモンブラン! いいタイミングだよなァ。ずっと昔からモンブランといえば小川軒。これを食べないことには秋がやって来ない。ここのモンブランは利平…

グレース・ケリーの職業は?

芸術新潮十月号、ぼくのコラムではハリウッド映画の衣装デザイナーとして、つとに有名なイーディス・ヘッド女史についての話題です。コスチュームでオスカーを8個も取った人。名前を聞かれたことがなくとも、オードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』や…

コリン・ウィルソンの小説

今日は天気が良かったので、古い本の虫干しをした。ダンボール箱の底から、二十代はじめに愛読していた本が出てきて、懐かしかった。青春の一頁?ってやつですね。コリン・ウィルソンの小説『暗黒のまつり』新潮社刊。 その前に実存主義評論集『アウトサイダ…

丸十とメープルシロップ

今が旬、丸十(薩摩イモ)の季節ですね。いつもの島の地産地消マーケットへ買い物に行くと、大小とりまぜ、中身が黄色や紫色の丸十が勢揃い。旨いからとあれこれ調子にのって食べちゃうと、胸焼けが待っている。マーケットのオバチャンは、薄い皮ごと食べれ…

蟲のこゑ

夕焼け空にトンボが舞い、夏のセミはもう鳴かなくなり、やっと静かな秋が来たなと思いきや、日が沈むと今度はムシの声の出番で賑やかです。(写真は今日の島の夕焼け) 東京の町中でもリーリーリーリーと盛んに鳴いていたけれど、島のほうは虫の大合唱祭りと…

名優トミー・リー・ジョーンズ

缶コーヒーCMの変なオヤジ役で人気者?のトミー・リー・ジョーンズ。漫画の国ジャパンでは、当代の名優でさえ、ただのお笑いネタにしかならないとは、オールド映画ファンとしては情けない限り。なので、ワタシにもちょっと一言いわせてもらいたい。 二十一…

古い仕事部屋

先日、あるイラスト業界誌の取材があって、この次は島のほうの仕事部屋を是非見せて欲しいという。専門誌によくある「プロの仕事場拝見」ネタですね。 残念ながら還暦過ぎてからは、一度も使っていないし、すでに物置小屋になっていますよ、とおことわりしま…