新茶のルーツ

osamuharada2008-07-10

中国雲南省にある世界最古の茶の原産地取材を、NHKハイヴィジョン特集「茶馬古道」という番組で観た。最古の茶の原木は樹齢が千年という大木が残っていて、まだ生き生きとしている。人が植栽した茶の木は千五百年たっても、まだまだ新芽を摘むことができる。高い木の上に登って茶葉を摘むのは女たちの仕事で、葉を炒って重石で板状に固めプーアル茶として製品化させるのは男たちの仕事。雲南省中南部のプーラン族という少数民族で、顔立ちは漢民族より日本人に似ていた。プーアル茶は貯蔵中にコウジカビを繁殖させて旨みを出すので、ワインのように古いほど高価になるそうだ。都会の立派な茶の店では、数十年モノのプーアル茶500gが日本円で一千万円以上すると言っていた。そんなことよりぼくが気になったのは、 葉緑素を留める緑茶の製法とは違うから、摘んだばかりの新茶は飲まない風習なのかなということ。中国茶より日本の煎茶が好きなので、余計な心配をしていたら、茶摘作業を終えた女たちの楽しみは、新芽の茶葉を喫することだった。火の上にのせた、瓦のような厚手のプレートに、摘んだばかりの茶葉を開いて置き、さっと焙じたら、すぐに銅製だったかの縦長の鍋に入れて湯を注いだ。新茶の生茶仕上げだな。古来より恒例になっている彼女達の特権なんだそうです。そしてこの新茶が、実に旨そうだった。という煎茶好きにはたまらない映像でした。  さて今年、我が日本の新茶も無事に喫することができて嬉しき限り。新緑の中で飲む新茶は格別でした。この写真の時のお茶ウケは、冷蔵庫でキリキリに冷やした茹で小豆(大納言)を少々。