2008-01-01から1年間の記事一覧

舩木さんの新作イッチン

舩木伸児さんの最新作、定番となったイッチン技法の皿とコップ型の湯呑です。一目で、コレは旨そうだ!と思った。つまり食欲を誘う陶器類なのです。 さっそく朝食のトーストとホット・ミルク用、日常的に使っています。 ペイズリー風のイッチン(白い化粧泥を…

信太郎のマッチ

ぼくの鈴木信太郎好きを知っている若い友人から、長崎土産に福砂屋のカステラをもらった。信太郎が描いた「おらんだ万歳」のマッチもオマケにくれた。こっちのマッチが、メインのお土産のつもりなんですよ、とのことでした。残念ながらぼくはカステラあんま…

マーク・ノップラーのギター

去年の新作、マーク・ノップラーとエミルー・ハリス共演“ ALL THE ROADRUNNING ”を、天気が良い日にドライブしながら聴くと、世界が輝き出して見えてくる。部屋で聴くより外で、しかも車のスピード感で聴くのに最適。ロードランニングと題したのもムベなるか…

祖父のスナップ写真

先月、京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターでやっていた「マキノ映画の軌跡」展を見に行ったら、映画監督をしていた母方の祖父、二川文太郎のスナップ写真数葉が展示されていて興味深かった。“日本映画の父”といわれた牧野省三が設立した京都の映画製作…

島の桜

アトリエ3階の窓から外をぐるりと見渡すと、若草色の中に白い霞がかかったように咲いている、島の桜が満開だった。この開放感はデジカメではうまく撮れない。遠く山裾のほうまで、霞が棚引いている感じで、例によって江戸の古浄瑠璃「河東節」を聴きたくなる…

熊の履歴書

芸術新潮4月号の連載コラムでは、観光地みやげの木彫り人形について書きました。特に信州産のスキー熊たちに、以前からひと目惚れしていたので、いつどこで誰が作ったものなのか、来歴調査?を敢行してみたわけです。その結果判明した意外な事実を芸新に書…

春の菊六落語会お知らせ

お待たせしました古今亭菊六落語会です。 春晝を江戸小咄にひろいけり 万太郎 春の土曜日の午後、パレットクラブの自然光の下で、ノンビリと古典落語をお楽しみ下さい。若い菊六ますます精進、ひとえに笑いを追求して日夜励んでおります。なにとぞご贔屓お引…

景徳鎮の青花皿

今月もまた出光美術館、俵屋宗達の「西行物語絵巻」が抜群に素晴らしかった。室町時代のオリジナル西行物語絵巻は失われていて、江戸時代初期に宗達が描いたものは、その模本のまた模本。しかし宗達以前のものや、後の尾形光琳の模本に比べても、圧倒的に宗達…

ティツィアーノの肌色

一昨年はマドリッドからプラド美術館のティツィアーノ「ヴィーナスとオルガン奏者」が日本に来て、今年はついに「ウルビーノのヴィーナス」がやって来た。ティツィアーノの大傑作ですね。拙著「ぼくの美術帖」を読んでくださった方なら、どれくらいワタクシ…

グルマン獅子文六

高校生の頃に愛読していた獅子文六の痛快なユーモア小説のなかでも、何度も何度も読んだのが「バナナ」という小説。久しぶりに読み返してみると、1960年頃の大人や若者、男女の言葉遣いが活写されているので、あの頃へすぐにタイムスリップができる。高…

引き出物のクッキー

昨日は娘の結婚式。運良く晴天に恵まれた自由学園明日館で行われました。ぼくにとっては初めて見る、重要文化財に指定されたフランク・ロイド・ライトの建物というので、昔の教室やら披露宴の会場や廻廊など、あちこち隅々が気になる。つい執拗に見学しなが…

大徳寺の雪

日曜日の朝、京都のホテルで目が覚めたら雪だった。軒下にはつららが並んで下がっている。二十五年間毎年、京都へ通っているので、雪見観光は何度もしているけれど、やはり雪の京都は格別に美しい。雪の思い出も数々ある。 さて今日はどこで雪見をしようかな…

エスカルゴ用のココット

島にいる時は島の食材に限る、とアシタバのところで書きましたが、島の特産物では地魚の他に、アワビ、トコブシ、サザエといったちょっと贅沢な貝類もある。夏は刺身が最高だが、寒い冬には熱々に焼いて食べてみたい。そこで思い付いたのが、フランスのブル…

寒椿

今朝、起きぬけに窓の外を見たら、ベランダに白く雪が積もっていた。この島では八年ぶりの雪だと、TVの天気予報が告げている。午後には陽がさしてきて、雪は跡形もなくすっかり消えてしまった。 今年は、久しぶりに冬らしい冬ですね。 思い出して去年二月…

インディアナのLOVE彫刻

人からの貰い物の続きで、思い出したのがポップアートのRobert Indiana 作で有名な LOVE 彫刻のお土産。透明なプラスティック製の置物で、サイズは7cm角の奥行き3.5cm。15年ほど前にある女性がニューヨークみやげにくれたのでした。ラブのほうに特別意…

ホックニーの田園回帰

再び、人からのいただき物の本についての話。 デヴィッド・ホックニーの新作画集を、アート・ディーラーのM氏から、お土産に貰った。2006年、ロンドンでの個展出品作の画集で、ホックニーが生まれ故郷の英国ヨークシャーの風景を描いた連作。 驚いたな…

ペンギンブックスの表紙

PENGUIN BOOKS のカバーデザインと、表紙700冊分を選んだ二冊の本を、芸術新潮の三好さんからいただいた。PENGUIN BY DESIGN のほうは、英国のデザインや活字書体、イラストの変遷などがよく解かって、ぼくには面白かった。表紙のラフスケッチも出ている…

イサム・ノグチのAKARI

昔から間接照明というものが好きで、天井から直接一灯だけが煌々とついているような部屋では落ち着かない。それも蛍光灯だったりすると最悪で、何となく気分が虚無的になっちゃう。蛍光灯は電磁波が強烈だしね。 昼間は自然光の明るさだけで充分。陽が落ちる…

ドラッグストアの思い出

外資系による乗っ取りで、銀座の豹変ぶりがすさまじいこの頃ですが、丸の内から日比谷にかけてもガラッと変ってしまった。あの三信ビルも壊されて、昔の日比谷らしい面影は無くなった。 去年の秋にオープンしたばかりの日比谷のホテル、ペニンシュラは、英国…

吉野織の風呂敷

昨今は、ただのトートバッグだったものが、エコバッグと呼び名を改めたら売れているそうだ。エコが付かなきゃ売れない時代らしい。日本人には昔から風呂敷というエコバッグがあるじゃないか、と思うな。 これは室町時代からある吉野織を使った風呂敷です。ぼ…

宗達の伊勢物語

今年も早々から嬉しいことに、出光美術館が絶好調ですよ。 むかし男ありけり、と云えばもちろん在原業平の、ラブロマンス『伊勢物語』をモチーフにした絵画群。屏風や色紙など、特に俵屋宗達とその工房の作品が素晴らしい。 平安王朝の貴公子にして歌人の在…

宮田重雄の絵皿

買ったばかりの写真集「輝ける文士たち」文芸春秋刊に、獅子文六と一緒に宮田重雄が載っているのを見て喜んでいたら、宮田重雄のお孫さんである、宮田佳子さんからお正月メールが届いた。これも、この頃ひんぱんに起こるシンクロニシティーかなと思った。 現…

寿ぎのデザイン

おめでとうございます。 と一応は言っても、昔からズボラを決めこんで、正月は何もせず、年賀状も書かず初詣にも行かないのです。メンドクサイだけなのですが、それでも両親が健在だった頃は、親孝行のつもりで、正月の儀式にはちゃんと付き合ってあげました…