夏休みのボサノバ

osamuharada2008-08-11

今年は残暑も強烈ですね。島のアトリエでの日々も、朝の涼しいうちに絵(趣味のほう)を描いたり動きまわったりして、昼下がりにはシエスタがすっかり定着しました。これは多分にトシのせいでしょうな。部屋に入る風が少ない日は、庭に打ち水をして、大きい椰子の木陰に置いたハンモックで昼寝です。シエスタに合う音楽なら、やっぱりボサノバだろう、ということで今ハマってるのが、ジョニー・ソマーズの『ソフトリー、ブラジリアン・サウンド』。偶然これも1964年(前回書いたのと同じ)録音でした。当時、ジョニー・ソマーズは「ワン・ボーイ」というポップス曲が日本でもヒットしたので、ずーっとポップシンガーだとばかり思ってたけれど、近年ジャズ・スタンダードの復刻盤のシリーズとしてコレも出たので聴いてみたわけです。声そのものが、あの時代を反映しているのか、どこまでも明るく澄んでいて、とにかく気持がいい。ぼくには懐かしい声でもあるし、遙か昔の若かった時代に連れ去らされる。ウットリしてくる。これならシエスタに最適だ!  やはり同じ’64年に、ボサノバといえば耳にタコの、スタン・ゲッツ&アストラット・ジルベルトの「イパネマの娘」も出来たそうですが、復刻盤CDのライナーノートを書かれている寺島靖国さんは、ジルベルトより「私はこちらのジョニー・ソマーズの方が断然好きですが、あなたはいかがですか」と結んでおられる。そう!ぼくも全く同じで断然こっち、ソマーズのほうが好きだな。 ジャズのスタンダード曲でも、ここではブラジルのローリンド・アルメイダ弾くギターで、ボサノバのアレンジが凄くいい。好きなスタンダード曲“ I'll Remember April ”もボサノバで聴くと爽やかで新鮮に感じる。“ That's All”というペギー・リーも唄った古い曲なんか、最初からボサノバなんじゃないかと錯覚するくらいピッタシの編曲でした。すべて英語で唄うので、ジョビン作曲の「コルコヴァド」は、もちろん“ Quiet Night of Quiet Stars”で、これもいいよな!という感じの夏休み中です。

ソフトリー、ブラジリアン・サウンド(紙ジャケット仕様)

ソフトリー、ブラジリアン・サウンド(紙ジャケット仕様)