2007-01-01から1年間の記事一覧

アシタバ・サラダ

今年も異常気象がキツーい年でしたね。 日本のニュースでは故意に控え目でしたが、世界的な大凶作だそうですよ。例えば自給率世界一のオーストラリアでは、干ばつで小麦の前年比が −61%と落ち込んだ。輸入に頼りきってる日本はすぐに影響される。アメリカ…

湯島のトラ

しばらくメニューから消えていた、湯島シンスケの炒り豆腐がやっと復活しましたと、マガジンハウスの岡本さんから知らせがあった。その経緯は岡本さんのhttp://fablog.tumblr.com/post/22350057 をご覧いただくとして、ぼくも今日シンスケにいって来ましたよ…

文庫表紙の紙

今日の話は、パレットクラブのイラスト教室生徒さん向けなので、フツーの方にとってはどうでもいい話かな。 新潮社から頼まれて、赤川次郎さんのシリーズ小説、その単行本装丁デザイン(前回もぼくが担当)をしました。 イラストのほうは、小説シリーズの主…

モダニスト尾形乾山

東京中で一番好きな「出光美術館」にて『乾山の芸術と光琳』』展を観る。2000年から発掘調査(出光も参加)をしていた、京都、乾山の鳴滝窯跡から出土した陶片の研究によって、この時代は「乾山の壮大な実験室」と調査報告書に書かれたそうだ。尾形乾山…

イームズのラウンジチェア

よく晴れた日、そろそろ青山神宮外苑のイチョウが見頃かなと思って散歩にでかけた。何か音楽を聴きながら歩いてみたいなァと前から思っていたので、友達から借りていたiPodを試してみた。しかし一歩外に出ると車や街の音がうるさいため、ヴォリュームを…

子供らしい子供たち

春と秋の二期に渡って、NHKハイヴィジョンでライブ放送された「関口知宏の中国鉄道大紀行」が面白かった。経済特区となった大都会ではかなり人心荒廃としていたが、昔のままの地方や少数民族の村などで暮す人々が皆な素晴らしかった。前触れなしで行き当…

民芸運動 嫌い

考えたら民芸品を日常的に使ってきたのは、ぼくのオフクロが戦後の民芸ブームにのって、一時期は家財道具一式を民芸ひと色にしたのが始まり。「衣食住」の衣や住(家具調度のみ)はやがて飽きたのか我が家から消えたけれど、食習慣と密着していた民芸食器類…

北園克衛のカバーデザイン

芸術新潮12月号のコラムは題して「北園克衛とミステリー」。文庫版エラリイ・クイーンのカバーデザインのシリーズを取り上げ、ミステリーと北園克衛による表紙デザインの関係についてを具体的に書きました。 むかし「ぼくの美術帖」でも紹介したのですが、…

You belong to me

二ヶ月前、監督タランティーノの最新作 Death Proof があまりに良かったので、続いてロドリゲスの Planet Terror も期待して観た。場所は閑古鳥鳴く六本木ヒルズの映画館。 タランティーノのほうはオタク趣味を超えて、さすがハイセンスな映画が作れるもんだ…

柚子のバラライカ

島の人からもらったユズが山ほどあったので、冬至はまだまだ先だけれど露天風呂を柚子湯にしてみた。湯上りの感じがいつもと違い、皮膚がなんとも気持良い。昔の人はこれでヒビ・アカギレを治したというのがよくわかる。無骨で小さいながら柚子の香りは一人…

イームズETRテーブル

今年も異常気象の続くなか、今日は全国的に久しぶりの秋日和。島も快晴。雲も風も無く穏やかに晴れ渡ったので、なんだか例年より有り難い気持がした。三階の窓から眺める海は、水平線がくっきりとしている。大きなオレンジ色の太陽が沈む頃に、好きなエリッ…

コラージュの手帖

群青色の本革表紙がすごく気に入って買った、手漉き水彩画用紙の小さなスケッチブック。文庫本くらいのサイズ。しかし写生に出かけるつもりなどは無いことに、後で気がついた。つまりただのジャケ買いですね。東京の仕事場の引き出しの奥にずっと眠っていた…

第三回・菊六落語会のお知らせ

来たる、11月23日(勤労感謝の日)金曜日、午後4時開演。 パレットクラブ寄席『古今亭菊六落語会』。ただいまより、ご予約受付いたします。 皆々さま益々の菊六ご贔屓お引き立てのほど、スミからスミまで、ズゥイーッとおん願いタテマツル次第でござりまする…

鉄斎と饅頭

今月の「芸術新潮」11月号ぼくのコラムでは、富岡鉄斎と和菓子の「とらや」について書きました。鉄斎が虎屋主人に贈った画賛が、現在も虎屋の酒饅頭の箱に、掛け紙として使われています。昔からそれが好きだったので、図版用に撮影をしてもらって、大いに…

赤福 事件簿

赤福餅のニュースを新幹線車内の電光掲示板で読んだのは、何か虫の知らせであったのかも知れない。夕刻大阪で友人達と落ち合い、黒門市場は串揚げの「六覚燈」(ワインも素晴らしい店)にて会食。ぼくの最古のガールフレンドP子(大阪在住)の病気見舞いもか…

小川軒のショコラ・スフレ

あまり甘くない甘いもの好きとしては、まず秋口に食べたくなるのが、新橋小川軒カフェの「ショコラ・スフレ」。仏語でふっくら焼いたという意味のスフレ。スポンジケーキよりもはるかに軽い。パウンドケーキ(バターと砂糖と小麦が各1パウンド)に比べたら…

鉄道の日 問題

今日のどうでもいい話。駅貼りのポスターを通りすがりに見たら、『10月14日は、鉄道の日 』とある。日本初の鉄道が新橋−横浜間に開通した『明治5年10月14日』を記念しての日付だと説明している。それを読んで漠然とした疑問が生じた。確か日本では…

軽井沢の こけももジャム

到来物のパウンドケーキには、隠し味にこけももジャムが練りこんであった。「こけももジャム」という言葉が、ぼくに遠い昔の軽井沢を思い起こさせた。中学時代から親友の家が中軽井沢に貸し別荘を借りていたので、夏休みにはほぼ毎年行っていたことがある。 …

さよなら奥村書店

昨日、元FRB議長で金融界のマエストロと呼ばれたグリーンスパンが、中国の上海株にバブル経済の特徴が現れたことを講演したという。すでに都市に限定された土地バブルは、現在パリやロンドン、ローマ、ミラノなどを襲い、土地は高騰しすぎて誰も住めなく…

バターケース問題

今日のどうでもいい話。 夕方、資料を探しに大型書店へ行った。奥の目指すは美術書の本棚へ向かう途中、料理本のコーナーでちょっと立ち読み。パラパラと頁を捲っていると、料理のプロらしき人達の食卓が掲載されて、その中にバターを深目の角鉢に入れている…

都はるみ市川昭介を歌う

昨日は作曲家市川昭介の一周忌、東京国際フォーラム2時開演の、都はるみが恩師の曲を歌うコンサートを聴きに行った。5千人満杯の客席は平均年齢75歳という感じ。若者がいないだけではなく団塊世代すらいないのがかえって気持いい。左隣に座ったオヤジさ…

芸術新潮の新コラム

今日発売の芸術新潮10月号で、またぼくの新しいコラムが始まりました。8月号までのコラムは、最新展覧会の紹介という内容でしたが、今回スタートした新コラムは Osamu's Invitation というタイトルで、ぼく自身の好きな美術や美術に関連したテーマを毎回…

銀座千疋屋の洋梨ジュース

今日もまだ暑い。日本は東南アジアになっちゃったのか。午後の銀座を歩いていたら急にノドが渇いてきたのでアレを飲みたいなと思った。毎年9月になると、銀座千疋屋で季節限定の洋梨のジュースが出ているはずなのです。二階に上るとほとんどが女性客で混ん…

メトロポリタン美術館の寄贈者

ニューヨークに住んでいた若い頃、メトロポリタン美術館に日参して泰西名画の数々を初めて知ったのですが、その後ヨーロッパに渡り、本場でルネッサンスなどの古典名画を見るにつけ、メトロポリタンにある大画家の作品は、その画家の傑作と呼べるようなもの…

イッチンの皿

汐留でバーナード・リーチ展を観てきた。日本民藝館蔵のすでに何度も見たものばかりの陳列だったけれど、改めてリーチは絵がヘタクソだったなと思った(残念ながら)。ヘタなだけでなく風景人物動物植物画のことごとく、西洋人の描く誤った東洋という奇妙な…

いちじくとジェラール・フィリップ

これは映画監督になる前に写真家だったアニエス・ヴァルダが撮影した、俳優ジェラール・フィリップ。舞台女優ジュヌヴィエーヴ・パージュと何やら話しながら、手にしているのは摘みたてのいちじく。 ただぼくの好きな写真というだけです。日本ではもう忘れら…

寄席文字レタリング

前回の菊六落語会では、当日になって菊六君の名前を書いた札が無い事に気付き、急遽友達が前に書いた物を借りたのですが、後でよく見たら歌舞伎の勘亭流を真似てその友達が書いたものでした。いくらなんでもマズイだろと思い、席亭の責任でもあるし、今回の…

ヒアーズ リー・モーガン

真夏の夜にWOWOWの番組で「アート・ブレーキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ ライブ・イン’58」を見てとても懐かしくなった。これはベルギーでのライブ映像で、「モーニン」という曲が日本でも大ヒットしたアルバム「サンジェルマンのジャズ・メッ…

小川軒のグレープフルーツゼリー

お盆で里帰りして(東京ですが)、昼間の銀座へ出かける。地下鉄の階段を上らんとするも外は猛暑の日ざしが強烈に襲っている。危険な外歩きは諦めて、そのまま地下道から数寄屋橋旭屋書店の中へ直行。本を買うと再び地下道を四丁目方面へ歩き、松屋のデパ地下…

日本のいちばん長い日

お盆休みTVで、また恒例のように終戦記念日番組が始まる。敗戦の十五日が、死者の霊をまつるお盆の日とは、何だかできすぎのような気がするな。戦争を描いた日本映画のなかで一番好きなのが、一昨年亡くなった岡本喜八監督’67年『日本のいちばん長い日』…