2005-01-01から1年間の記事一覧

バレンシア陶器

スペインの東、地中海に面したバレンシア地方もまた南のアンダルシア地方と同じく、イスラムの色濃く残る陶器産業が盛んでした。この水差しはバレンシアの古い伝統的なデザインで、バレンシア市を南に下ったハティバ近郊の窯らしいのですが、若い陶工がたっ…

エルブグレン

プロになってから、ぼくの憧れのイラストレーターの一人にアメリカ40、50年代のピンナップ・ガールの巨匠、Gil Elvgren がいます。大衆向けの風俗画、美人画といったジャンルで大流行した絵のスタイルです。なかでもエルブグレンは常にトップランクで、…

バタフライ・チェア

60年代のアメリカ文化に憧憬していた頃から、欲しいなあと思っていたモノの一つに、この通称バタフライ・チェアという簡便なアウトドア用の椅子がありました。よくアメリカの中流家庭の庭やプールサイドに置かれている大量生産品です。誰がデザインしたも…

画家のおもちゃ箱

あまりきちんと続けて書けなかった(スイマセン読んでいただいて)このブログですが、今年の元旦から始めて、はや一年近くたちました。はじめにこんな感じのブログにしようかなあと、ふと思い付いたヒントがこの『画家のおもちゃ箱』という本のことでした。文…

月の輪熊

先日NHKのハイヴィジョンで、世界の熊を取材した連続番組をやっていました。北極のシロクマは小熊時代が最高に可愛くて、大きくなると最強の熊になるので、さすがにちょっと怖くなってくる。ヒグマも同じ。そして我がニホンツキノワグマの出番。小熊の可…

椿油

乾燥した季節になると、トシのせいか、髭剃り後はカサカサになり、老化した皮膚はところどころが痒くなり、髪もパサパサになってきます。こういう季節には椿油の出番です。これ一本ですべてOKです。男性用化粧品なるものは、もとより信用できませんから使…

尾上松助

久しぶりに新橋演舞場で歌舞伎を観てきました。同窓で十代の頃からの仲良し、尾上松助丈が一年ぶりの、大病を押しての出演です。体が不自由になったので板付き(幕があがるとすでに舞台に座す)です。その姿を見た瞬間、心配で胸が締め付けられました。しか…

スージー・クーパーのデミタス

こちらは、同じクレヨンラインのデミタス。エスプレッソが恋しくなる寒い季節到来ですね。

スージー・クーパー

1902年生まれ、イギリスの陶芸家Susie Cooperといえば、花の絵柄で有名ですが、ぼくは抽象的図柄の「ウェディングリング」(3色の同心円の帯状柄)シリーズや、ポルカドットのかわりに小さい米印のような柄が散ったシリーズを愛用しています。(男とし…

猫の絵

好きな二人の画家、岸田劉生と木村荘八の、猫の絵を古本屋で手に入れました。左は劉生装丁の長与善郎という白樺派の作家の本で、精緻な木版画の表紙です。むかし岸田劉生展で宋元画風の眠る猫図を見たことがあって、あまりに感動して思わずその絵を会場でス…

六本木ジョージ

かつてはソウルミュージックの梁山泊のようだった、六本木の元防衛庁横の『ジョージ』がこの夏に取り壊されました。これはその寸前の姿です。60年代から1975年にベトナム戦争が終結するまでの六本木は、アメリカのGI達が街にあふれ、中でもジョージは黒人兵…

押し花の皿

いくら器が好きでも、美しい花柄の器というものは、いいなと思っても、いざ男子が使うとなるとちょっと抵抗があるもんです。しかし使わないでただ持っているだけというコレクターにもなりたくないのです。というような、くだらないことに、こだわりを持つ自…

スペインのタイル続き

もう少しタイルを見たい、というご注文がいくつかあったので、オマケの写真です。前の写真の下の方につながる部分です。柄物は手描き(緑と鉄釉のはまるで織部)とプレスしたものとがあります。タイルは焼いた時にゆがむので裏面が平らなものは少なく、仕上…

スペインのタイル

4年前パリに滞在した時は、写真学校に通っていた娘のアパルトマンが、オベルカンフ通りにありました。ある日その通りの先をブラついていたら、スペイン製タイル専門店の飾り窓を見つけて、美しいターコイス・ブルーのタイルの展示に目が釘付けになりました…

ウェスタン

昔むかし、ものごころついて、最初にジョン・フォード監督『駅馬車』を観て以来、15歳位まで、熱病のように西部劇にハマっていた時期があります。ぼくの場合は、今でも自分なりの好きな洋画ベストテンのなかに、ハワード・ホークス監督『リオ・ブラボー』…

珈琲

ジム・ジャームッシュ監督の『コーヒー&シガレッツ』のDVDを観たら、コーヒーに関しては日本人的感覚とは別のものという、違和感を感じてしまいました。ジャームッシュ好きのサブカル映画オタクと、カフェ派少女(実際は30歳代)あたりだったら、この雰…

バックスバニーのグラス

3年ほど前からある本を読んで、健康のために毎朝欠かさず、にんじんジュースを飲んでいます。りんごジュースも少量ミックスするので結構うまいから、飽きずに飲んでいるうち習慣になってしまいました。朝の空腹時に、コップ2杯分を一度に噛むようにユック…

成瀬巳喜男

生誕100年ということで、フィルムセンターやNHK BS放送などでは、成瀬巳喜男監督作品の大特集を今やっているところです。ぼくもまた熱烈成瀬ファンなので勝手に宣伝させてくださいね。ぼくの好きな成瀬映画の1番目は、まず1956年『流れる』で、2番目が戦中…

残暑お見舞い

お元気ですか?ぼくのほうは長い長い夏休みから戻ったところです。今年はダンボール3箱分の本を読破して過ごしました。本といっても小説や文学とは関係のない、歴史の謎解き(ヘンな趣味を持ってます)のための研究本ばかりで、ノートをとりながらのお勉強…

ズーク

誰でも夏になると聴きたくなる音楽があると思うのですが、人それぞれで、ぼくの場合は断然「ズーク」です。といってもほとんどの方はご存じない(レコード屋でも今は売ってない)ので、ちょっと判官贔屓で宣伝させてもらいます。これは大西洋カリブ海の、も…

はち巻岡田の実そば

このブログを書き始めて半年あまりですが、冬に銀座の「はち巻岡田」のことをちょっと書いたら、その後毎日のようにそのキーワードで検索される方々がこのサイトをのぞきに来ています。なので勝手な広報担当者として、夏の情報を書いてみます。 先日も、京都…

ハング・イット・オール

ぼくはスポーツというものをほとんどしません。特に勝ち負けのあるスポーツが嫌いで、小学4年の運動会を仮病で休んで以来、中・高校でも脱走し続けてきたような前科があります。もし兵役があったら、すぐ脱走兵で捕まるタイプです。そんな情けないワタシで…

再び北園克衛

今月の、建築雑誌「カーサ ブルータス」(マガジンハウス)でちょこっと北園克衛が紹介されています。(159頁から167頁)何故かまたぼくがそこに1頁出ちゃってます。インタヴュアーは小柳帝さん。ぼくの持っている北園克衛の本も掲載されました。隣の…

平つかの行灯

このブログで、5月に書いた銀座「平つか」さんにて、(id:osamuharada:20050506) 竹と和紙と杉でつくられた、涼しそうな行灯(あんどん)を買いました。このデザインは昭和30年代の一時期に、平つかさんで作っていた、久しぶりの復刻版でした。ぼくは初め…

7月10日サイン会

今度は、東京代官山の本屋さん「ユトレヒト」です。サイン会は10日、日曜日の午後3時から。またお好きなキャラクターも描いてさしあげますよ。知る人ぞ知るユニークな本屋さんで、小さな小さなギャラリーでは、7月5日(火)から7月17日(日)まで、…

夏の煎茶

梅雨だというのに、毎日暑いですね。新茶シーズンもいよいよ終わる頃ですが、5月に南から順に北上してくる各地の新茶を、今年も楽しませてもらいました。銀座松屋の「茶の葉」さんで、いつも買っている静岡県小笠郡の「小笠」(みる芽作り)も、今年の新茶…

ポップ・アート

これは島のアトリエで、絵を描くときにいつも使っているテーブルです。高さが丁度よい具合で、筆を置くのに便利です。といっても、ご覧のようにアンディ・ウォーホルを有名にした、洗剤Brilloの箱のポップ・アート作品、それの模造です。洗剤の箱の模造作品…

ベベール

十代の頃、フランス映画好きになって、古きはルイ・ジューヴェからジェラール・フィリップの映画や、当世流行ヌーべルバーグあれこれ、『アイドルを探せ』のような青春娯楽映画にいたるまで、なんでも手当たり次第に観ていました。なかんづく可愛い路線にお…

スペイン陶器

今日発売の、雑誌BRUTUS「好きな器」特集のなかに、何故かぼく(ほんとに何故ぼくが?)の愛用食器が掲載されています。そこでは英国スリップウェアと島根県の湯町焼を紹介しました。このブログで前に書いた卵用ココットもちょこっと出演していますよ。ぼく…

娘の写真展

ぼくの娘が、minaの皆川明さんに機会を与えていただき、白金のショップmina perhonenにて写真展「トタンテン」をさせていただいてます。昨日からオープンなので様子を見てきました。こういうのって、父兄会に赴く時の気分を思い出して、変にキンチョーするも…