2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

宮田重雄のマチエール

宮田重雄は、まず油彩画の画家で、医師でもあり、戦後のラジオ(二十の扉)やTVで人気があった、今でいうなら文化人タレントでもありました。獅子文六との親密な交流から、挿絵を担当することになり、それらが続々と大ヒット作となりましたが、あくまでも…

青春怪談のさしゑ

本日より「宮田重雄さしゑ展」始まります。 昭和二十九年(1954年)読売新聞に掲載された新聞小説、獅子文六著『青春怪談』のための挿絵原画がメインで、右のように並べて25mほどあります。 これはなんと55年も昔の作品なのです。ぼくが8才の頃ですから、こ…

壷と水差し

宮田佳子ちゃんからいただいた宮田重雄先生遺愛のスペインの水差しと壷を、島のアトリエに運び、リビングルームの飾り棚に置かさせていただきました。それだけで部屋が明るく暖かみを帯びてきたようで、居心地が良くなりました。むかし「ぼくの美術帖」を書…

宮田重雄さしゑ展

来週の金曜日から『宮田重雄さしゑ展』がスタートします。 芸術新潮2月号では、こんな風にぼくは紹介しています。《 新聞小説は、百年前のメロドラマ、尾崎紅葉の『金色夜叉』でブレイクして、七十年前の吉川英治『宮本武蔵』で時代小説ブームに火がつき、そ…

ハリーとトント

先週NHK−BS2の深夜映画で、名匠ポール・マザースキー監督『ハリーとトント』(1974年)を久しぶりに観ることができた。老人ハリー&雄猫トントのロードムービー。小津安二郎監督『東京物語』が下敷きになっているという。ハリーが笠智衆で、猫のトント…

椿とメジロ

晴天の冬座敷、窓をあけはらって、周囲に咲きはじめた椿に目をやると、四六時中、元気いっぱいのメジロ仲間が忙しくやってくる。鶯色に目のまわりだけの白色が何とも愛くるしい。島の陽射しは暖かく、どこまでものどかなる一日であります。こういう時には、…

歳寒二友

京都の竹包楼で買った『鉄斎扇面』を眺めていたら、椿と梅の二種が描かれた扇に「歳寒二友」と賛がある。中国では古来より、主に松・竹・梅を指して「歳寒三友」というはずだが、これは富岡鉄斎が勝手つくって二友と称した賛のようだ。中国原産の梅は江戸時…