アトリエむだばなし

osamuharada2016-11-10

アトリエのメンテナンス工事のため、庭のBARを倉庫がわりにして、一時キャンバスの仮置き場にしてあります。ついでに虫干しを兼ねて、むかし描いた絵を交互にBARの壁へ架けては、反省会をやっているところです。今後の(自分だけの)ベンキョウにはなるかもしれない。
イラスト稼業と違って、絵画(といってもアブストラクトですが)のほうは、売り物でもないし、締め切りも、完成させる必要もないので、いたって気楽な趣味の世界なのです。ああでもないこうでもないと、ひとり楽しむだけ。この写真の絵は二十年くらい前に描いたもので、我ながらどこか衒気が強く、鼻持ちならないところがあると感じたらしく、それでずっと裏返しにしておいた。いま見ると懐かしいけれど失敗作です。こうゆうのはもう描かないようにしよう、という自戒のつもりで、ちょっとだけ眺めているところです。これが楽しい反省会。

アトリエの奥からは、もっと古い、高二の時に描いたアブストラクトも出てきた。その絵は、当時ニューヨークのアートシーンで属目されていた Hard-Edge Painting にかぶれて描いたものです。いま考えると面白い高校生だったな。かの Kenneth Noland に触発されて描いていたわけだもんね。早かったな。しかし人に見せたって誰も興味がないだろうから、奥に仕舞ったままにした。それで残っていたのです。そもそもアブストラクトは中学生の頃から描き始めたので、足掛け五十五年。イラスト稼業の三十五年よりもずっと長い。さてと、アトリエに大型暖房機の取り付け工事がすんだら、心機一転、また初心に戻りアブストラクト再スタートするつもりであります。