葦簀とトルソ

osamuharada2008-08-01

夏の島での必需品のひとつが、どこでも売ってる葦簀(ヨシズ)です。日中の強烈な日差しさえ避けられれば、室内はクールダウン。海からの風が涼風に変わる。コレで今年もクーラー嫌いのまま何とか生き延びそうだ。このトシでは島に熱帯夜が無いこともありがたい。  古来より世界中の暑いところ、どこにでもヨシズがあるのは、材料の葦(アシ)が世界で最も分布範囲が広い植物だからなのでしょう。日本のヨシズといえば、昔は湘南の海の家のような、ダサイ感じしかしなかったモノだけれど、十代の頃に観た映画、ルネ・クレマン監督『太陽がいっぱい』にヨシズが出てきたので、ヨシズ印象がスッカリ変わってしまった。あの有名なラストシーンは、南イタリアの海岸、外にヨシズ天井のある古ぼけたレストランの場面で幕を閉じる。何度見てもカッコイイ!ぜ。あまりに好きな映画だったので、あれ以来ヨシズを見ると地中海風な洒落た気分になっちゃうのだ。映画のアンリ・ドカエ撮影の視線でモノを見たくなってしまう。 そうゆーようなワケで、ヨシズを立てかけた窓辺には、地中海風な古代ギリシャ彫刻のレプリカなどが置いてあるのです。ルーブル美術館にある「うずくまるアフロディテ(海の女神)」に良く似たトルソ。美術好きとして高望みすればマイヨール彫刻のトルソが欲しいところだけれど、白昼夢でガマンしておこうか。