文学賞のボブ・ディラン

osamuharada2016-10-14

GOOD NEWS : 昨日、ボブ・ディランノーベル文学賞授賞。たまにはグッドニュースだってあるもんだな。その「音楽」は、すでに殿堂入りを果たしていたが、詩人として「文学」賞とは、やったね。ディランの詩歌が好きだったので、これは格別に嬉しかった。
さっそく昨夜から聴きなおしています。ヤツガレの好みで選んで、まずは 1969年【 Nashville Skyline 】。これはリアルタイムで New York 滞在中に聴いていたから、若かった自分自身の個人的な想い入れが強い。ラジオからは毎日のように Lay Lady Lay が流れていた。レコードショップの窓にこのLPジャケットが並んでいた。ディランの最も Optimistic なアルバムだと思う。声にそれが現れている。カントリーミュージックに近寄りすぎたためか、ヒットはしたが変節といわれた。プロテスト精神は薄れて、ユッタリと生きる喜びを歌いあげている。ウッドストックで隱遁中に書いていた詩歌。(韻を踏んで)Throw my ticket out the window, Throw my suitcase out there,too, Throw my troubles out the door, I don't need them any more 'cause tonight I'll be staying here with you.
次は1966 年の【 Blonde On Blonde 】を聴いた。イラストレーターになりたての頃、徹夜仕事になると毎晩こればかりを聴いていた。とにかくこれを聴くと元気が出た。脳内にドーパミンが放出されたからだろうか。かっこいい曲が次から次へと繰り出され、身体は揺れ動いて止まらない。But deep inside my heart I know I can't escape. Oh,Mama, can this really be the end, to be stuck inside of Mobile with the Memphis blues again. 超大音量で聴くべきアルバム。ヴィジュアルは、ミルトン・グレイザーの描いたポスター DYLANで決まり。
1974 年のアルバム【 Planet Waves 】では、Something There Is About You という曲が特に好きだった。「君には何かがある」、that brings back a long-forgotten truth 「それは、遠いむかしに忘れ去ってしまった真理を思いおこさせる」。
次に1970年【 New Morning 】を聴いた。どの曲もすべてが好きで、自由意志に満ち満ちている。If dogs run free, why not me 「 犬が自由に走れるなら 何故ぼくにできない  時間の沼地を超えて 精神は交響曲と韻律のつづれ織りをなす 」。
さて今夜はどれから聴こうかな。Bob Dylan について前にも書いていました。→ ボブ・ディランのライブ [id:osamuharada:20100324] コーエン兄弟ボブ・ディラン[id:osamuharada:20140604] ディランのDONT LOOK BACK [id:osamuharada:20070602] ボブ・ディランの新曲 [id:osamuharada:20061005]
18日追記:いまだにディラン本人からは連絡がないという。本人が受け取らなくとも一応授賞はされるらしい。ファンとしてはノーベル(ダイナマイト発明家)文学賞などいらん、と言って欲しいところだが、さてどうなることやら、これもちょっとした楽しみです。The answer, my friend, is blowin' in the wind.