2007-01-01から1年間の記事一覧

菊六落語会のお知らせ

パレットクラブ寄席、第二回『古今亭菊六落語会』のお知らせです。八月三十一日、夏の終わりに若々しい江戸前の古典落語をお楽しみ下さい。前回は中野翠さんがサンデー毎日のコラムで菊六を大変誉めてくださいました。菊六ますますハリキッております。あた…

金魚売りのミニチュア

戦後の下町育ちで懐かしく思い出すのは、夏になるとやって来る、金魚売りの呼び声「キンギョェーエ、キンギョー」。釣忍や風鈴売りとともに夏の風物詩だったけれど、今の東京にはもう無いでしょうね。このミニチュア(屋台風物模型の一種)の金魚屋さんは、…

ブラッサイ写真集

前述のBRASSAI写真集、The Artists Of My Life です。アトリエでモデルを前にしたマティス晩年の姿が表紙を飾っていますね。ブラッサイは、はじめ画家を志してパリにやって来たそうで、生涯芸術家に対しては思い入れが強くありました。20世紀の大芸術家達…

ブラッサイの撮ったデュフィ

芸術新潮八月号ぼくのコラムでは、ラウル・デュフィの展覧会について書きました。コラムの中の引用文は、ブラッサイの写真集“BRASSAI・The Artists Of My Life”からです。これは写真家ブラッサイ最晩年(1982年)に上梓された、芸術家達へのインタヴュー…

ボルサリーノの麦藁帽子

去年買ったヘレン・カミンスキーの椰子で編んだ帽子id:osamuharada:20060531は、猛暑の時にはちょっと暑かったので、何かもっと軽くて涼しそうな夏帽子はないだろうかと、銀座トラヤ帽子店をのぞいて見ました。布製のものはやっぱり蒸れるというので、麦藁帽…

東哉の仁清写し

芸術新潮七月号のコラムでは、京焼の元祖である野々村仁清の香炉(こうろ)や香合(こうごう)について書きました。仁清は陶芸家ではあったけれど、実は本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳・乾山兄弟らに連なる江戸初期京都の美術家グループの一員なのです。云…

「今人古心」印

四十才のときに、京都姉小路麩屋町の、富岡鉄斎ゆかりの古い画材店『彩雲堂』で作ってもらった竹材の印です。鉄斎の画賛にあった「今人古心」(こんじんこしん)から勝手にとって、彩雲堂専属の篆刻家に彫ってもらいました。竹の切り口がそのまま印形になっ…

アジサイの花

まだまだ島にて絵本制作中。この梅雨時の散歩に、あちこちで咲く紫陽花を眺めて歩くのは楽しい。 古くから自生する日本のガクアジサイは、温室栽培で改良した西洋アジサイの母種にもなったそうです。四国南部、紀伊半島、東海、伊豆半島に咲くから、黒潮暖流…

Bees Missing

去年の秋頃から、アメリカ合衆国の27州とカナダにおいてミツバチが失踪しているという。つまり巣箱に働き蜂が戻らなくなって、姿を消してしまったらしい。巣は絶滅して、蜂蜜が採れなくなるだけでなく、ミツバチによる交配が必要な農作物に今秋は多大な被…

画家の石鹸

小学一年生で油絵を描き始めて、二十代にアクリル絵具が登場するまでは、油絵具ばかりを使っていました。描いた後の手についた油絵具は洗っても拭いても簡単には落ちず、プルシアンブルーなどは刺青のような色合いで数日はとれない。ヴァーミリオンレッドは…

小鳥の空耳アワー

只今、島にて子供向け絵本を制作中。梅雨の間に仕上げてしまおうとアセっているけれど、空梅雨で天気が良い日には、窓外の小鳥たちの鳴き声につい気をとられてしまう。散歩に出てみるとあまりにいい声なんでウットリ。先日東京で、美大時代からの親友、動植…

小村雪岱の浴衣

この間、当ブログをご覧くださった小村雪岱の遠縁にあたる方から、雪岱没後のお香典返しに配られたという、雪岱デザインの浴衣をいただきました。有難く頂戴して、感激いたしました。包みを開けると、なんとも爽やかな藍染浴衣で、やはり雪岱独自のモダニズ…

ハワイ今昔

写真集『オサムグッズgo to Hawaii』に、早速多くのご注文ありがとうございます。発見されたダンボール2箱じゃなくって、3箱もあったそうです(勘違いでした)。まだまだ沢山あるので、是非一家に一冊どうぞ! なんて余計なこと云ってしまいました。 そも…

オサムグッズ go to HAWAII

先日、商品倉庫の片隅に、一度も開けたことのない古いダンボール箱が二つあるのを発見しました。何だろうな?と思って見ると、なんと1989年に出版してとっくに絶版になっていたはずの『オサムグッズ go to HAWAII』という写真集なのでした。それもシュリ…

枇杷の季節

島の人たちはもともと半自給自足が多いので、自宅用に栽培した季節の野菜や果物が食べきれないと持ち寄っては小さな市場を経営している。地鶏の卵、植木や切花もある。それを商売にしている家はひとつもない(なのでとても安い)。島民同士で美味しいものを…

ディランのDONT LOOK BACK

ボブ・ディランの1965年英国ツアーを撮ったドキュメンタリー映画‘DONT LOOK BACK’のデラックス・エディションが出たので予約しておいて買ってみた。昔のLDは持っているけれど、今度のDVDはデジタルリマスター版で、オマケのアウトテイク集がもう一…

晦庵のしぐれそば

5月では観測史上最高気温だったこの日曜日、京都にいたので、冷たい蕎麦を食したくなり、もう晦(みそか)庵ではそろそろアレが出ているはずだと行ってみると、待ち客がすでに並んでいる。そういえばこの日、相国寺承天閣美術館「若冲展」へ行ってみたら、…

PALETTE CLUBの落語会

今夜は「第一回・古今亭菊六落語会」と題して、初めてパレットクラブが寄席になりました。一応アタクシが席亭というようなわけです。かつて志ん生、文楽、円生を聴いて育った古い古い落語マニアとしては、昨今の落語ブームにはちょいと不満足。しばらく落語…

新緑の書斎

2月には冬の書斎で過ごす楽しみ[id:osamuharada:20070219]を書きましたが、梅雨に入る前の新緑の季節はまた清々しく気持が良いものです。鶯の鳴き声がのどかに時々聞こえる以外は、頭の中が空っぽになるくらいの静寂さ。相変わらずここでは仕事などする気に…

BLACK & WHITEの犬達

松竹の小津安二郎監督が、'61年に東宝で撮った『小早川家の秋』。これは上方歌舞伎の中村鴈治郎(二代目)や浪花千栄子(この二人が最高!)と東宝のスター達が揃い踏みをしている素晴らしいコメディですが、冒頭の森繁久弥と加東大介が出ている大阪の、とあ…

ヴァネッサのライブ

青山の Blue Noteにて、VANESSA WILLIAMS のライブコンサート。今日、初めて生のヴァネッサを見て聴いて、改めて惚れ直してしまいましたよ。昔からビデオクリップで見ていたヴァネッサは、どうも化粧が濃かったり色気たっぷりの衣装だったりで、歌唱そのもの…

伊藤まさこさんの本

今日発売の、スタイリスト伊藤まさこさんの新刊『東京てくてくすたこら散歩』(文芸春秋)に、オサムグッズスタイルが載っています。伊藤さんが興味のある東京の街を歩いて紹介する内容で、築地界隈のところに突然出てきます。伊藤さんいわく《オサムグッズ…

佐野繁次郎のデザイン

芸術新潮5月号のコラムで、佐野繁次郎のパピエ・コレについて書きました。5月20日までの神奈川県立美術館葉山に於ける「パリのエスプリ 佐伯裕三と佐野繁次郎展」の紹介です。ぼくの好きなのは本絵よりも、佐野繁次郎のパピエ・コレ(コラージュ作品)と…

グラッドストン・アンダーソンのピアノ

ぼくにとってはオサムグッズの生みの親でもある、OVERHEATの石井志津男さんが初監督した映画“Ruffin' Tuff”のDVDが発売された。レゲエの歴史的ミュージシャン達を取材したマニアックなドキュメンタリー映画です。タイトルが始まると、ビーチを走る車窓から撮…

『川端実展』最終日

今日は良いお天気にも恵まれ、先生の絵画はこの世のものとは思えないほど美しく輝いて展覧会は終了しました。このブログを読んで来てくださった方々も毎日のことでした。お会いできて嬉しかったです。ありがとうございました。 場所が雑然たる築地場外市場の…

雨の日の展覧会

『川端実展』今日で18日目。毎日見ているうちに、ぼく自身は亡き師の教えをしっかり体得できた感があります。時々抽象画を初めて見られた方に、この絵はどういう意味があるのか、或いはどんな感情を現わしているのかをよく問われるのですが、そんな時はい…

ミルト・ジャクソンを聴いた夜

’90年の夏、ニューヨークの先生を訪ねた時、取材が無い日の昼間は美術館とギャラリー巡りで、日が暮れるとジャズクラブへよく行きました。中でも運良く好きなミルト・ジャクソンをブルーノートで聴いた夜が最高でした。日中は美術の「モダニズム」に浸って…

先生のアトリエ

「川端実展」は、昼間の自然光で見るのが最高の美しさであると書きました。特にうす曇りの日がベストのようです。この写真はニューヨークの先生のアトリエ。窓は南に面していて、右側は広くハドソン河がゆったりと流れ、その先に遠く自由の女神を見ることが…

ニューヨーク公共図書館のトート

わが師の絵画と対面する今日この頃ですが、毎日通っているうちに、むかし『ニューヨークの川端実』取材のため先生のアトリエへ通った日々を懐かしく思い出しました。1990年のことです。5番街のホテルに泊まると、近くの42丁目にNew York Public Libra…

『川端実展』始まりました。

素晴らしい晩年の大作ばかりが揃っています!ギャラリー・スペースは写真のようにトップライトなので、昼間は自然光のままで観ることができます。 実際に川端実は、ニューヨークのアトリエの、南面した大きな窓からの自然光だけで描いていました。なので今回…