小鳥の空耳アワー

osamuharada2007-06-22

只今、島にて子供向け絵本を制作中。梅雨の間に仕上げてしまおうとアセっているけれど、空梅雨で天気が良い日には、窓外の小鳥たちの鳴き声につい気をとられてしまう。散歩に出てみるとあまりにいい声なんでウットリ。先日東京で、美大時代からの親友、動植物を写実で描いたら世界一!イラストレーターの赤勘兵衛(本名は藤田です)から、小鳥を鳴き声で識別する古来からの方法「聞きなし」を伝授してもらったばかり。ウグイスだけは誰でもわかるけれど、同じ鶯色で目の周りだけ白いメジロは《長兵衛・忠兵衛・長忠兵衛》チョウベイ チュウベイ チョウチュウベイと鳴くそうだ。さて改めて聴くとほんとうにその通りなので、思わず散歩の途中で吹き出してしまった。円朝の『文七元結』は左官屋の「長兵衛」さんと、近松浄瑠璃『冥途の飛脚』梅川「忠兵衛」さんが一緒になっているみたいだ。オツなもんだね。 ホトトギスは《特許許可局》。ちょっとコイツうるせーなと思ってたからその感じもピッタリだ。朝から樹の高い所でよく鳴いているホオジロは《一筆啓上仕り候》、確かに声高にイッピツケイジョウと言ってる。しかしツカマツリソウロウは難しいのかあまり上手くない。ぼくにはツカマツリやがれェ!と早口なベランメイに聴こえるのですが。 歩いていると鶉に似たコジュケイが、前を走って逃げていく。樹木の中へ這入り込んだら、ほんとに《ちょっと来い、ちょっと来い》と鳴くんでまた笑えた。時々出っくわす美しい雄のキジは《出・鉄砲》のはずだが、アレっ違う鳥の声だったのかな?ぼくにはギョイ《御意、御意ーッ!》と聴こえた。桃太郎さんの〈御意〉を得て家来となるのは、すなはちその所以か、などと後で勝手に想像しました。ソラミミスト安斎肇さんに聴いてもらいたいよな。 どうも絵本なんか描いてると、童心に戻っちゃうもんですね。写真はそのいつもの散歩道。
鳥の絵なら赤勘兵衛HP http://www.sekikanbei.jp/