晦庵のしぐれそば

osamuharada2007-05-30

5月では観測史上最高気温だったこの日曜日、京都にいたので、冷たい蕎麦を食したくなり、もう晦(みそか)庵ではそろそろアレが出ているはずだと行ってみると、待ち客がすでに並んでいる。そういえばこの日、相国寺承天閣美術館若冲展」へ行ってみたら、行列ができていて、今からだと入場までに100分待ちですといわれて諦めたばかり。これは広告宣伝にもの凄い金をかけたせい、美術界では異常事態。伊藤若冲がお寺さんの客寄せ道具に使われているという日本美術の悲劇(または喜劇)。どうもこの頃の京都は年中観光日本一になったらしく、昔のようなシーズンオフはもう無いのかもしれない。なので晦庵までも観光地化かと思っていたら、すぐに空いてしかも昔からこの店で一番好きな席(まっすぐ中庭を通ってすぐ左の半畳ほどの部屋)へ案内されたのは嬉しかった。品書きに、この季節恒例の茶蕎麦で「しぐれそば」の文字が目に飛び込んで来てさらにニンマリ。20年以前からぼくの当店大好物なのです。鳥焼きとみぞれの様な白い大根おろしが茶蕎麦に乗っかっていて、出汁はすでに下に入っている。ようかき混ぜておくれやすと云われる前にすでに箸を突っ込んでいたので、ちょっとお姉さんに笑われた。茶蕎麦にこれほどピタリとした組み合わせは他に無いだろうな。江戸時代からの老舗、京都麩屋町三条上ル「晦庵河道屋」。近くの本家河道屋は蕎麦粉のクッキーのような「蕎麦ぼうる」という銘菓のほうで有名ですね。写真の湯呑茶碗にある藍色の図柄はその蕎麦ぼうる、可愛いいなァ。