グラッドストン・アンダーソンのピアノ

osamuharada2007-04-24

ぼくにとってはオサムグッズの生みの親でもある、OVERHEATの石井志津男さんが初監督した映画“Ruffin' Tuff”のDVDが発売された。レゲエの歴史的ミュージシャン達を取材したマニアックなドキュメンタリー映画です。タイトルが始まると、ビーチを走る車窓から撮影した夕焼けの海のシーンにかぶせて、Gradstone Anderson のピアノ曲「トウィンクリング スター」がいきなりかかったので泣けてきた。これはぼくにも愛聴盤のアルバム「カリビアン・ブリーズ」の中の一曲。それというのも石井兄貴から18年前にもらったこのCDを、ぼくはアトリエがある島に置いた車でずっと聴き続けてきて、しかも海岸沿いを走る時にはピッタリはまるから、家で聴かずにドライヴ専用だったわけです。映画のシーンとあまりにそっくりだったので、一瞬デジャヴになりましたよ。
生涯道楽者のようなECこと石井氏は、レゲエに夢中になるやすぐにオーバーヒートという音楽事務所を主宰し、ジャマイカにすっ飛び、当時無名だったグラディ・アンダーソンのアルバムを作ってしまったのです。最初はグラディの歌モノで、老いて渋いファルセットボイスの“Don't Look Back”というレコード。アルバムジャケットはぼくがデザインしました。ヘンな抽象画を描いてしまったので、石井の兄貴は多分気に入らなかったはずでしたが、何も文句を言わないところが大人物。やはりこのフトコロの広いところが、ジャマイカのミュージシャン達の信頼を篤くしたんですね。インストゥルメンタルの「カリビアン・ブリーズ」はその次にCDで出ました。グラディのピアノはロック・ステディの調べで、天国で聴くようなそよ風の音色です。その後“REGGAE CHRISTMAS”というアルバムを石井+グラディの二人でプロデュース。これはレコードCDともぼくのイラストで、今度は白髪ドレッドヘアの黒人サンタクロースを描きました。これは少し気にいってくれたようでした。EC監督のもと、ジャマイカキングストン発信のリラックスしたレゲエ映画“Ruffin' Tuff”をご覧下さい。http://www.overheat.com/

Ruffn' Tuff/ラフン・タフ ~永遠のリディムの創造者たち~ [DVD]

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DVD特典に付いている、石井監督の副音声解説も凄く楽しい!