雨の日の展覧会

osamuharada2007-04-16

川端実展』今日で18日目。毎日見ているうちに、ぼく自身は亡き師の教えをしっかり体得できた感があります。時々抽象画を初めて見られた方に、この絵はどういう意味があるのか、或いはどんな感情を現わしているのかをよく問われるのですが、そんな時はいつも意味はありません感情表現でもないのですと答えます。画家の自我を遙か超越したところに一種の画境を置いた絵画だと思うからです。大画面のキャンバスの前に立つと、目の前には日常の次元とはまったく別の、時空を超えた次元が現出していますよ。前頭葉に意識を集めて、無我無心で見ることがコツですね。
先生の絵画は、特に晩年になるほど達人達観といった審美で貫かれていると思います。今回は61歳から86歳までの絵を11点配列してみました。まるで富岡鉄斎のように、最晩年まで衰えるどころかますます自由闊達に輝きを増してゆくことにも、改めて強く感得させられました。
まだまだ見飽きず、毎日何か発見があるので、終了20日までのあと4日間、ぼくにとって至福の時間はまだまだ続いています。