写真集『オサムグッズgo to Hawaii』に、早速多くのご注文ありがとうございます。発見されたダンボール2箱じゃなくって、3箱もあったそうです(勘違いでした)。まだまだ沢山あるので、是非一家に一冊どうぞ! なんて余計なこと云ってしまいました。
そもそもぼくのハワイに憧れた最初は中学生の頃、映画『南太平洋』に魅せられて、その実際の撮影現場がハワイのカウアイ島と知ったからでした。海外旅行自由化はずっと後のことで、外国の情報といえば白黒テレビで見聞きしていた時分、この映画の総天然色TODD−AO式という巨大画面で観た衝撃は忘れがたい。熱帯植物、密林、虹、滝のある渓谷のエキゾチシズム。そして脇役で登場する中国系女優のFrance Nuyenさんにすっかり恋焦がれましたね。30代の頃にやっとそのカウアイ島へ行った時は、ハナレイ湾の「魅惑の宵」が歌われるシークエンスの、幹が真横に曲がった椰子もまだ健在でした。その頃は「地中海クラブ」になっていましたが、どこもかしこもすべてが映画のままの風景で夢のようでした。しかし10年前に行ったらその椰子も無くなり、その場所は「プリンスビル・ホテル」という豪華なホテルに変っていました。そのホテルの中のミニ映画館では毎日『南太平洋』を上映しているのには感激しました。上の写真は映画『南太平洋』、'58年当時のアメリカ版カタログ(ハードカバーで絵本仕立てです)のページ部分。我が憧れのフランス・ニュイエンが「ハッピートーク」を踊る名場面です。あのバリハイ島(架空なので島は書割り)が見えるはずの、ハナレイ湾を望むホテルの、庭にあるBARラウンジの名前も「ハッピートーク」なので嬉しかったな。
ごく最近のハワイ事情。昨年暮からアメリカの土地バブル景気がはじけたあおりで、買った家のローンが払えなくなったり、家賃高騰で追い出された人々数千人がホームレスとなり、海岸に居住し始めているそうです。ハワイのあちこちでは「ホームレス・ビーチ」と呼ばれています。写真集を撮影した頃は日本がまだバブル景気だったので、日本人観光客は免税店でブランド物買いに殺到していましたね。それで写真集では、わざとSuburbanなハワイ風景を撮影しました。