2011-01-01から1年間の記事一覧

1900年パリ万博 続き

エッフェル塔の広場から、セーヌ川にかかるイエナ橋を渡ると、向かいの右岸にはトロカデロ広場があります。現在は、そこの上のシャイヨ宮の間から見る眺望が特に有名ですね。よくスケートなんかしているテラスの、向こう岸にエッフェル塔が見えるといったあ…

ジャズと彫刻と猫

マイヨールの彫刻を観たくて、マイヨール美術館へ行ってみたら、企画でミロの彫刻展をやっていた。ミロはどうでもよいので、常設展示室へ向かって通り過ぎようとしたら、一部屋からジャズが聞こえてきた。デューク・エリントンの、ピアノ・トリオでの演奏で…

エグルストン写真集

冷夏のパリへ来たせいなのか、くだらない節電騒ぎや、放射能の見えない恐怖について、思い煩うことがなくなった。遠く離れて日本をみれば、あまりにひどい感情論ばかりが横行して、客観性を見失っているとしかみえない。また結局はカネと仕事のことばかりに…

パリの屋根の下

パリに来て、ようやくネットが無事開通したので、またヒマツブシを書いています。 猛暑と節電の日本にくらべ、今夏のフランスは涼しくて、まるで避暑地にやって来たかのようです。トシヨリにはこれが何といってもありがたい。散歩もはずみ、3.11以後のユウ…

ハワイのコナ・コーヒー

HAWAIIで飲むコーヒーといえば、やっぱりKONA COFFEEですね。これは、オアフ島の北部にあるハレイワの地で、1907年(明治40年)に創業した日系人経営のスーパーマーケットのオリジナルです。丹精をこめてコーヒーを栽培した人も日系のクニタケさん。ハ…

沖縄ロゼッタストーン

沖縄の県立博物館には、何の解説もなく、ただ「沖縄の謎」として展示されている「線刻石板」が多数あります。普天間や嘉手納の米軍基地からは、百枚以上が発見されている。その他は北谷町の周辺、つまりすべて海底に没したと思われる邪馬台国の陸側にあった…

復興カジノ

東日本大震災の復興計画と称して、仙台をカジノ(公営賭博場)にする案が決まりそうだ。仲よく超党派でつくる【カジノ議連】(国際観光産業振興議員連盟)のことだから、民主党がオススメする【カジノ合法化法案】は国会ですぐに可決されちゃうだろう。→http://s…

邪馬台国を探して

沖縄本島、北谷(チャタン)の沖(写真は北谷公園)。この先の海底20m地点に、くだんの木村説「邪馬台国」の巨大遺跡が横たわっている。地盤沈下で水没した卑弥呼の国。世紀の大発見にもかかわらず、沖縄の人ですら感心をあまり持たない、それが残念。 今日…

そして神戸

先週は、神戸のある美術大学に頼まれてセンセイをやってきました。阪神淡路の大震災以後は初めての神戸なので、ついでに思い出の場所をあちこち散策した。十六年前の震災の跡はもうすっかり消えて、すでに復興を遂げたようだったが、昔の街の面影は微塵もな…

今年の新茶

こないだは京都へ行っていたので、例によって毎朝の煎茶を、と寺町の一保堂茶舗「嘉木」へ通い続けた。今年も京都「宇治の新茶」はとてもうまかった。古い京言葉でいう「ほっこり」がまた味わえた。しかし気になるのが、東日本では箱根のふもとまで茶葉からセ…

クールビズはクールか?

「節電」対策のひとつとして、本日6月1日からスタートした「スーパー・クールビズ」。今夜9時のNHKニュースをぼんやり見ていたら、ビジネスマン向けの、さまざまなクール・ファッションが紹介されていた。そのなかでも、ぼくにとっては、とびきり忘れがたき…

節電銀座

先週、所用で東京へ戻ったついでに銀座へ寄り道しました。日が沈むと、夜の銀座通りは暗くて、ものさびしげだった。半年前に撮った同じ場所も、「節電」とやらで看板のライトを消しているから、何の店かが判然としない。銀座悲しや、痛々しき姿に悪口をいう…

川端 実 展

さすらい旅の途次、神奈川県の観音崎にある「横須賀美術館」へ。わが恩師『川端実展』。回顧展というには小規模だが、ダイジェストされた先生の画業が、ぼくには懐かしい。しかし今も一点ごとに作品はいきいきとして鮮烈だ。「モダニズム」とはこういうもの…

GOOD NEWS

我々に必要なのは電力であって、原子力ではない。では、どうすればよいのか? 明快な答えがここにある。 広瀬隆さんの、理にかなった解決策に最後まで耳を傾けよう。→〔プレスクラブ・2011年05月10日〕 5月16日 追記・「メルトダウン」という言葉がやっと使…

BAD NEWS

GOOD NEWSかな?と思ったけれど違った。浜岡原発は一時停止しても、民間信仰の【安全神話】のほうは復活する。推進派の教祖であるカンが改宗したわけではない。 →〔共同通信5/6〕 5月7日 まだ福島は危険水域を脱していない。3号機の温度上昇中 →〔日本経済…

まぼろしではない邪馬台国

くだんの「沖縄・邪馬台国説」にハマってしまい、沖縄本島の南、由緒ある玉城(タマグスク)の地に住む友人を訪ねて、古代遺跡めぐりをしています。現地でフィールドワークをすればするほど、この近年の大発見に魅せられてゆく。 拙著『ぼくの美術帖』のテー…

地震は予知できていた

昨年10月に上梓された、木村政昭先生の本は、【 いま、地球全体が、地震活動の活発な時期に入っている 】という観点から始まります。 このたびの東日本大震災に関しては、こう予測されていました。【太平洋プレートと北米プレートが接する東北・北海道の太平…

地震と古代史

天災(地震)に、人災(原発)の影響が長びく東京にいては、まったくもって落ち着かない。東京には、ひたすら自粛する人。経済のためにもっと消費すべきとカラ元気の人。今度のことで反原発派になった人。恐怖ですっかり委縮した人。こんな時は「上を向いて…

レベル7

真摯な専門家の意見だけをを聞きたかった。 4月12日 京都大学・小出裕章先生の大阪MBSラジオ放送。 http://www.youtube.com/watch?v=ruTVbPCGAxw 世界で最も権威のある学術雑誌『 Nature 』 の電子版記事。 http://www.asahi.com/science/update/0413/TKY201…

ぼくの東京物語

目を覆いたくなる「天災」の傷跡と復旧作業。まだまだ「人災」という危機的状況から一歩も脱していない現在。明日は、この非常事態さなかの東京都知事選。利権争いに過ぎないものを、何をかいわんや。他に書くことも思いつかないので、以下はぼくのつまらな…

桜咲く

アメリカの知的雑誌『ニューヨーカー』の表紙イラスト。 放射能のシンボルマークが桜の花びらになっている。 日本人の一人としてはつらくて悲しいけれど、このイラストの持つメッセージ性は圧倒的です。優れた洞察力と批判精神が無ければ、このような力強い…

使用済核燃料=プルトニウム

NHKテレビ報道を見ていると、『4号機』にプールしてあるものは、【使用済核燃料】と言うのみで、【プルトニウム】とは言っていないようだ。故意にだろうか。「使用済核燃料」と簡便な辞書を引いても出てこない。「プルトニウム」ならば、どこにでも書か…

原発震災

【3月12日・午後2時半】恐れていた原発震災がおこったようです。福島第一原発1号機のニュース。すでに、核分裂してできる高レベル放射性廃棄物「セシウム」と「ヨウ素」が炉外で検出されたよし。このたびの巨大地震津波とともに、気がかりだった原発事…

Made in U.S.A.

もう誰も気にする人はいないだろうけれど、昔から使っているアメリカの日用雑貨で、Made in U.S.A.モノがどんどん消えてゆく。ブランドはアメリカでも、もはやアメリカ製はほとんど無い。オサムグッズを製作していた頃は、かつてのアメリカン・グッズに憧憬…

アメリカ製のお盆

もっぱらブランチや三時のオヤツに愛用している、アメリカ製のトレイ。二十年ほど前にまとめ買いした時には、多分すでにデッドストックで1960年代の大量生産品だったのでしょう。Cafeteria Trayと呼ばれ、いまでも学校や会社の食堂などで普通に使われている…

梅にも春の

近頃のニュースを見ての、あだしごと。 ネットを使って、いまごろ民主革命がおこるところもあれば、ネットでカンニングをするやからも出てくる。 ネットって、最先端のメディアだと思っていたが、人間がやることはちっとも進歩していないようですね。 かくい…

アトリエ日記

山と海の中間にある、ぼくの古いアトリエ。今日は四月並みに暖かく、絵を描くには日差しがちょうどよい。むかし描いて途中でほっておいた絵に加筆する。長方形のキャンバスを縦位置にして描いていたものを、横にして壁にかけてみたら断然こっちのほうがいい…

竹籠含春

《失われた十年》といわれてから久しいが、ついに「不況」は二十年目に突入したという。しかしこれは、戦後の経済発展とバブルに踊らされた世代だけが、「失われた」と騒いでいるだけじゃないのかな。最近は中国にGDPで抜かれて負けてしまった、とさらにガッ…

お不動さま

むかし京都新門前の骨董屋で買った、小さな不動明王像。身のタケ8cmほどながら、右手に利剣、左手に羂索(けんじゃく)を持ち、火焔を背負って、大盤石の上に座している。(現在、利剣は壊れています) 古色蒼然、全体はススけちゃって真ッ黒けだが、光背…

ハングルの絵本

二十六年前が初版で、現在もまだ版を重ねて続いている、ぼくの絵本『かさ』(福音館書店)。今年は海外版として、韓国でも刊行されました。描いた絵は同じだけれど、文のほうはハングルに翻訳されている。自分の名前までがハングル文字で書かれているので、…