アメリカ製のお盆

osamuharada2011-03-06

もっぱらブランチや三時のオヤツに愛用している、アメリカ製のトレイ。二十年ほど前にまとめ買いした時には、多分すでにデッドストックで1960年代の大量生産品だったのでしょう。Cafeteria Trayと呼ばれ、いまでも学校や会社の食堂などで普通に使われている、ごくありふれたお盆。しかしこれは、いまやあんまり見かけなくなった半透明のファイバーグラス(FRP)製トレイで、天然素材の麻かなにかで編んだシートが間にサンドされています。そこのところが60年代風な感じなのでとても気に入っているのです。よくあるメラミン樹脂製のものより、FRP製はちょっと重たい。でも家で使うぶんには、何故かその重さがちょうど扱いやすくていい。イリノイ州シカゴのSiLite社製。
写真の約40 ×30cmのものと50× 40 cmの大きめのを数枚買って、二種を使いわけています。このお盆に、和食器類ではゼンゼンあわないのね。煎茶道具などまったく似合わないな。やはりアメリカ製の大量生産品で、簡易な食器類がピッタリだと思うのですよ。コーヒー紅茶には、マグカップしかないでしょ。皿やボウルなども、オーブン使用可のような頑丈なものを置くとよくあう。ガラスのコップも、絵やロゴがプリントしてあるような大量生産品がいい。
いまみても、アメリカが輝いていた二十世紀中葉の、物のデザインはいいもんだなと思う。たいした歴史や伝統が無い国だからこそ、降って湧いたような大衆文化の繁栄時代が面白かったのでしょう。庶民的で底抜けに明るくて軽快なデザイン性。それが古き良き時代のMade in U.S.A.というわけ。今のアメリカは自国で物を作らなくなってしまい、何をみても中国製やベトナム製、はたまた中南米製のものばかり。安価という以外にはなんの取り柄もなく、味気のない大量生産品ばかり。たかがお盆のごときで言うのもなんだけれど、なんとつまらない二十一世紀のアメリカになっちゃったんだろ。いまだにアメリカの後追いばかりしている日本も、当然ダメになるはずだよね。