スージー・クーパー

osamuharada2005-11-07

1902年生まれ、イギリスの陶芸家Susie Cooperといえば、花の絵柄で有名ですが、ぼくは抽象的図柄の「ウェディングリング」(3色の同心円の帯状柄)シリーズや、ポルカドットのかわりに小さい米印のような柄が散ったシリーズを愛用しています。(男としてはさすがにブーケの花柄皿を使う勇気?はありません)そしてこの「クレヨンライン」と呼ばれるシリーズが一番気に入っている絵付けです。裏にスージー・クーパーのサインとCROWN WORKSの文字 、さらに窯のあったBURSLEMという地名があります。1934年のデザインです。この手描きのラインは、下絵具を固形のクレヨン状にしたもので描き、上に透明釉をかけて高温で焼いてあります。工房のペインターの手描きですが、青色と濃いオリーブグリーンのラフな線がのびのびとしています。それでいて2色の線の間隔がきっちりバランス良く保たれているところは、同じ職人として何度見ても感心させられます。青い線のシリーズは特にブルー・チョークと呼んでいたらしい。この青色もいいし、また陶土の地肌の淡いクリーム色も柔らかくて好きです。「いい仕事、してますねェ」と思わず言っちゃう。
「クレヨンライン」は英国でよりアメリカで好まれたそうです。ところでこの真ん中で二つに分けられた深めの皿というかボールは、Divided Vegetable Dish というものらしい。ぼくはパーティなどで、野菜スティックをつまんで隣のドレッシングなどにディップしたりするんじゃないか?と勝手に考えて使っています。日本式にカレーとご飯に福神漬けでは、エレガントで美人だったスージー・クーパーさんが可哀そう。食器として使わない普段は、喫煙具や小物入れに便利です。