押し花の皿

osamuharada2005-10-17

いくら器が好きでも、美しい花柄の器というものは、いいなと思っても、いざ男子が使うとなるとちょっと抵抗があるもんです。しかし使わないでただ持っているだけというコレクターにもなりたくないのです。というような、くだらないことに、こだわりを持つ自分自身も嫌なのです。こういうやっかいな悩み(?)を持つぼくが、素直に買えたのが、この本物の花の挿入してある皿でした。厚手の透明アクリル樹脂の中に、押し花を浮かべてあります。花びらにすこし薄紫や黄色の名残があるけれど、ご覧のようにほとんど枯葉色で、渋い感じが気に入っています。直径26cm。樹脂製なので食器には使いたくありません、もっぱらパイプやパイプ煙草の紙袋、マッチなどが置いてあります。晴れて陽が当たると、アクリルを透過する光はガラスよりも軽く柔らかく、どことなく秋の風情があります。
これはむかし行った時の、パリのマレ地区にあったドライフラワー専門店で見つけました。次に行った、それも随分前にお店は無くなっていました。無造作にル・モンドかなにかの古新聞で包み、麻ひもで結んでくれたところも気に入りました。それを抱えてパイプを吹かしながら、マレの裏通りを散策したことなどの楽しかった古い記憶も、このアクリル皿の中に挿入されているような気がしています。