六本木ジョージ

osamuharada2005-10-26

かつてはソウルミュージック梁山泊のようだった、六本木の元防衛庁横の『ジョージ』がこの夏に取り壊されました。これはその寸前の姿です。60年代から1975年にベトナム戦争終結するまでの六本木は、アメリカのGI達が街にあふれ、中でもジョージは黒人兵がたむろするSOUL BARだったので、日本人ソウルミュージックのマニア達も自然とここに集まっていたようです。ぼくはイラストレーターになりたての頃、先輩の湯村輝彦さんに大勢で一緒に連れて行ってもらったのが最初でした。当時からテリーこと湯村先輩はソウルのオーソリティとして鳴らしていたのです。ジュークボックスからガンガン流れるブラザー・テリー選曲のソウルを聴いて以来、たちまちぼくもソウルミュージックのファンになりました。
ベトナム戦争の頃は、毎晩のように米軍ヘリコプターが六本木の上空を飛んでいました。ジョージの先を左に折れると、星条旗通り(スターズ&ストライプス、米軍発行の星条旗新聞社があったので付いた名前)に出ます。今でも六本木再開発地区のど真ん中に、US ARMYの古い建物だけが不気味な姿で残っています。ここだけは日本に返還してはくれないようです。というような不穏な場所で、そのむかしマーヴィン・ゲイが唄う'71年“What's going on"を聴いた時は、やるせなくて涙があふれました。
この思い出の六本木ジョージはなくなってしまったけれど、今度は後継者の人が西麻布に出店しました。 『ソウルバー・ジョージス』港区西麻布1-11-6、メンテルス六本木1F です。昔のままのジュークボックスが置いてあります。