マーク・ノップラーのギター

osamuharada2008-04-10

去年の新作、マーク・ノップラーとエミルー・ハリス共演“ ALL THE ROADRUNNING ”を、天気が良い日にドライブしながら聴くと、世界が輝き出して見えてくる。部屋で聴くより外で、しかも車のスピード感で聴くのに最適。ロードランニングと題したのもムベなるかなという感じ。 どうでもいい話だけれど、’78年のダイアー・ストレイツを聴いてガーンとなり、 ボブ・ディランの’79年“ SLOW TRAIN COMING ”の録音にイギリスから呼ばれたノップラーの、独特なギター爪弾き奏法にもシビれて以来の、ぼくはオールド・ファンなのです。 何しろエレキギターは ジミヘンでもクラプトンでも全然好きになれなかったのが、ノップラーを聴いてから、がらっと一変しちゃったというわけ。  ところで、この新作はCDの他にライブ映像のDVDがあるけれど、日本発売してないようでガッカリしてたら、先日タイのバンコックからポン友がコレすげェいいぞォ!と送ってきてくれた。アリガタイ。 マーク・ノップラースコットランド生まれの英国人なれど、実はアイリッシュユダヤの混血だから、ケルトの流れのマウンテン・ミュージックがその音楽的素養になっている。かたやアメリカはアラバマ州出身で、今や女性カントリー・ミュージック界の大御所エミルー・ハリスとの共演作だから、民族的見地からも最高の組み合わせ。二人ともじきに還暦のはずで、大人の聴くべき美しい境地に達している。しかも二人のノリは実に若々しい。  ライブでは各曲ごとに、ノップラーはギターを替えて歌っている。見て聴くと、なるほどこの曲にはギブソンレスポールかなどと大いに納得させられる。中でもぼくが好きなのは、エレクトリック・ギター発明以前の、幻のリゾフォニック・ギター(上の写真)の調べ。ノップラー秘蔵?のアメリカは1928年 NATIONAL 社製(だと思う)。ドブロ・ギターより古い。何ともいえぬ渋くてカッコイイ音色だ。 かたやエミルー・ハリスのギターは、その名を冠した Gibson L-200 Emmylou Harris で、見るからにカントリー・ミュージック。ギター好きにはタマランよね。ライブでは、アルバム以外の曲も数曲あって、ノップラーの前作“ Shangri-la ”の表題曲 Our Shangri-la も二人で歌う。この曲に限りノップラーは、フェンダーストラトキャスターを爪弾きではなくピックを使って弾いている。気の遠くなるようなクリアーな音色で、これは、やはりぼくの好きなハンク・マーヴィンのギターに近いサウンドのような気がした。ノップラーの作詞も曲想からしてシャドーズのサーフ・ミュージックへのオマージュかな(と勝手に思う)。 さて日が落ちて、今晩もまたライ・ウィスキーを片手に見て聴こうかな。
You Tube でそのライブのDVD映像やってました。REAL LIVE ROADRUNNING Our Shangri-la と入れればすぐ出てきます。同じライブ映像からリゾフォニック・ギター使用の Romeo & Julietも入ってた。他にもRight Now や This is us など 。さらにダイアー・ストレイツの古い曲Why Worry Now や So Far Away までもこの時のライヴ映像が出ている。これじゃこのDVD売れないよね。