引き出物のクッキー

osamuharada2008-03-02

昨日は娘の結婚式。運良く晴天に恵まれた自由学園明日館で行われました。ぼくにとっては初めて見る、重要文化財に指定されたフランク・ロイド・ライトの建物というので、昔の教室やら披露宴の会場や廻廊など、あちこち隅々が気になる。つい執拗に見学しながらブラブラ歩き回っていたから、ずいぶんと怪しい花嫁の父だっただろうなァ。そもそも婿サンがこの学校卒業生なのでここで挙げたというわけです。  建物はライトが旧帝国ホテル建築のため来日した折りに造られたので、ホテルと同じく栃木県宇都宮産大谷石が随所に使われている。ぼく自身の事務所の内壁を大谷石にした理由が、ライト好みという所縁だったからなので、いよいよ実物のライトの石組み暖炉を見るというだけのことでも、ウットリして眺めてしまいましたよ。インテリアでは木製の照明器具や建具、窓、椅子などもすべてがライトの設計。もとより学校のためのデザインなので、どことなく質素なシェーカー家具のような雰囲気があり、つましい感じがして、なんだか微笑ましかった。帝国ホテルで挙げる豪華結婚式より、ずっとこっちの方がいいなと思った。下の写真はライトの弟子遠藤新が設計した教会入り口横の大谷石、コレも良かった。
今朝は、煎茶を喫する時の茶うけの菓子に、引き出物の中にあった自由学園食事研究グループ製のクッキーを食べてみた。えこ贔屓するつもりはないが、これは実に美味い。クッキーというもの、いつまでも口中でモサモサして歯にくっつくし、砂糖でワル甘いから嫌いなのだが、これはサックリとしていて、それぞれの材料が香ばしくコンガリと焼かれている。甘さもぼくにとっては、あまり甘くない甘い物好きの範疇にピタリとはまって合格。メレンゲ好きとしてもこれはとてもいい。煎茶でもイケる。ごくシンプルかつ派手じゃないところも好ましい。やはり菓子は、ひとつずつ心のこもった手づくりがいい。
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