舩木さんの新作イッチン

osamuharada2008-04-16

舩木伸児さんの最新作、定番となったイッチン技法の皿とコップ型の湯呑です。一目で、コレは旨そうだ!と思った。つまり食欲を誘う陶器類なのです。  さっそく朝食のトーストとホット・ミルク用、日常的に使っています。 ペイズリー風のイッチン(白い化粧泥を盛る)柄の技法は、さらに進化をとげていました。お皿は、下地にスリップウェアのマーブル模様があり、さらにそのうえにイッチンで模様が描かれていて、複雑な味わいがある。淡い黄色の透明釉は、舩木さんの先代が三十年前に仕込んでおられた、古い布志名焼の釉薬だそうで、湯町焼とは一味違う柔らかさが特長ですね。春のようなうららかさのあるクリーム色に近い黄色。この淡黄色の釉薬もイッチン技法とともに舩木伸児さんならではの定番技法です。  テラコッタ色の陶土には、宍道湖の砂も混入させた工夫があって、これもまたオリジナル。湯呑の下側にその素焼き部分が出ていてバランスがとてもいい。  湯呑の施釉にも新しい試みが見られ、淡い黄色の帯は、イッチンで盛り上がっています。どうやって化粧泥を横に引いたのかな、ロクロかな? 本人に聞くの忘れちゃったけれど、かすかなテクスチャーが、湯呑を持った時にしっとりと伝わってきて、指に温もりを感じさせ、手にピッタリと馴染むのです。陶器の触感までも素晴らしい。これからこの技法も定番にして欲しいな。カップ&ソーサーなんかもいいだろうな。  舩木伸児さんは1960年生まれ、これからもまだまだ新しいことに挑戦されるでしょうから、ぼくはすごく期待しているのです。
去年書いた舩木さんの「イッチンの皿」 [id:osamuharada:20070906]