インディアナのLOVE彫刻

osamuharada2008-02-09

人からの貰い物の続きで、思い出したのがポップアートのRobert Indiana 作で有名な LOVE 彫刻のお土産。透明なプラスティック製の置物で、サイズは7cm角の奥行き3.5cm。15年ほど前にある女性がニューヨークみやげにくれたのでした。ラブのほうに特別意味があった訳ではないようで、当時ぼくの黄色好きだったことを知っての上の、心遣いあるお土産でした。  ロバート・インディアナは1966年に赤文字と緑、青で LOVE という平面絵画(写真の本の左)を描いて、ポップアート界の仲間入りを果たし、さらにLOVE を版画や立体作品へと展開する。マンハッタン6番街55丁目の巨大な立体LOVEをはじめ、アメリカ各地、スペイン、カナダ、台湾、日本(新宿ですが)などに、パブリック・アートなる名目で、デーンと置かれていますね。本人はこれを彫刻的ポエムと呼んでいた。そもそも現代アートという、不可思議な世界のモノであったが、アートとしての意味は忘れられて、誰にでも解かる有難いモノとして大衆ウケしてしまったようだ(新宿だもんね)。他に EAT や HUG という言葉もあったが、何てッたって LOVE 人気には敵わないやね。なお作家はこの作品の著作権(LOVEだけど)は放棄しているようです。 というような出自を持ったお土産品でした。現在は島のアトリエのガラス窓の所に置かれて、ノンビリと自然をバックに、黄色く透過された朝日を室内に取り込んでくれています。テーブルの上にその黄色い明かりが落ちるのが美しい。 ある時デリカシー皆無の親友(ただのオヤジ)が遊びにきて窓を見上げ、しばし首をかしげて、コレをばジーッと眺めていたところが、やがて英文字だと気付いたのか「なーんだ LOVE かよ!」と、吐き捨てるように言ってくれたので、ぼくは目覚めたわけです。以前はこれもアート作品なんだぞという先入観で見ていたけれど、初心に帰って見れば、なんとも間抜けな言葉 LOVE なのです。あれからソウル・スタインバーグの漫画のような、ユーモア作品として鑑賞するようなクセがついてしまいました。で、余計に気に入っちゃったお土産です。しかし現代アートは、笑えるな。