ポン友

osamuharada2015-11-24

オヤジは、旧友のことを「あいつは俺のポン友だよ」などとよく言っていた。中国語の「朋友」からきている外来語で、昭和ひとけた世代まではよく使われていたようです。「ポン友」とオヤジの口調で聞いていたせいか、若い頃からの遊び仲間で、会えばすぐ昔に戻れるような、古い親友のことだと思いこんでいました。
ヤツガレもこの歳になってみると、生き残り「ポン友」の数も少なくなってくる。先日、そのポン友の一人である Kが、NHKの番組『にっぽん縦断こころ旅』の録画DVDをくれた。火野正平氏が、Kの書いた応募手紙を読んでいる。北海道は洞爺湖で、大学時代の空手部合宿のときの思い出話。クスッと笑っちゃうような調子で、さすがによく書けているなと思った。あとでKがいうには、これは本当の話ではあるが、〈いたずら心〉で書いて出してみたそうだ。まずハゲのネタで笑わせてツカミを取り、火野氏にNHKで「ストリッパー」という言葉を二度もしゃべらせ、最後に「知床旅情」を森繁風に歌わせることに成功したんだぞという。Kはスポーツ新聞の記者 (のちに社長)になった男だから、人の心を掴むキャッチフレーズのプロともいえる。何だ、ただのヒマつぶしだったのかよ。
それにしても、Kの他愛ない〈いたずら心〉というのは、我々が十代の頃に共通した遊びだった。もう一人のポン友A (鬼籍に入る) との、学生時代の三人旅が懐かしい。よく海や山でキャンプをした。お互いに〈いたずら心〉で、お互いをからかったり、バカ笑いをしながら「だだら遊び」をくりかえしていた。「ポン友」Kには、退職した今こそ、かつての〈いたずら心〉を働かせ、人からクソジジイと呼ばれるような「文人墨客」になってくれることを密かに願っています。