くずきり

osamuharada2015-08-05

いふまいとおもへどけふのあつさかな、とでも言いたくなっちゃうなか、猛暑お見舞い申し上げます。とくに同世代(老人)のおかたは、おたがい熱中症対策が肝心ですよね。
島では嫌いなクーラーはつけなくてすむけれど、都会にいたら無理だったでしょう。日陰と海からの風通しを工夫して、何とかヤリクリしています。あとは短い昼寝に、煎茶の茶ウケの「くずきり」(写真)にハマっています。氷水で冷やした葛きり(奈良県吉野産)は、のど越しに氷よりも涼感があるようです。つける黒蜜(沖縄産黒糖)もスッキリと甘い。
この記録やぶりの連続猛暑と夏休みの間、人々が暑さで何事も考えられなくなりそうな時期を見はからい、アベ独裁政権は「粛々と」(米国の御下命により)コトを運ぶつもりでいるらしい。「まさに」とアベの口真似をするなら、「まさに、鞭声粛々夜河をわたる。ではありませんか」
これは頼山陽が、有名な「川中島の戦い」を詠んだ詩の一節。上杉謙信武田信玄の機先を制するべく、夜中に山を下って、敵の寝ているすきを狙い、馬にあてる鞭の音(鞭声)も静かに、こっそりと夜の千曲川を渡って進軍したという、考えたらズルい戦略なのでした。まさに「寝首をかく」とでもいうことでしょうか。
小学生のころ、同級生 E 君が「べんせい〜しゅくしゅく〜う、よるかわを〜わたる。」と爺さんゆずりの詩吟を得意としていたのを思い出します。子供には意味不明でしたが、いまアベ政権下で身を以て体験しています。敵はこの八月をしおに、粛々(こっそり)と夜河を渡るのでしょう(戦争法案と原発再稼動)。鞭声(辺野古)のほうは今月だけ静かにさせておけばよい…。言うまいと思えど今日もまた。    葛きりの器は谷道さんの吹きガラス→http://osamuharada.tumblr.com/
    夏 の 夜 の ふ く る す べ な く あ け に け り   万太郎