ペーターとパレットクラブ

osamuharada2015-04-09

久しぶりに銀座の書店へ寄ったら、ペーター佐藤の再刊本コーナーができていた(この写真)。突然、亡き親友の面影を本屋さんで見つけて、ハッとさせられた。周囲に人がなければ、涙が止まらなかっただろうな。数えてみたらペーターが亡くなって二十年が過ぎていた。
この本の初版は1987年で、ペーター存命中に出版されていた。ペーター現役時代二十年間分の仕事をまとめた作品集。ぼくの築地事務所に戻ると、その寄贈本が版元の玄光社さんから届けられていていた。ページを開けば、懐かしさがつのる。
パレットクラブ」のはじめは、たんなる仲良し朋輩の集まりで、1979年にグループ展をするときにペーターが命名をしてくれたのです。前に書いたパレットクラブのこと→[id:osamuharada:20050221]
築地のパレットクラブにて、初めてのペーター佐藤回顧展を準備していたのは2011年の春でした。その年の3.11、天災と人災に遭遇したために展覧会は流れてしまった。ゆっくり落ち着き、亡き友を仲間で回顧するような気分にはとてもなれなかったのです。
その時には、ペーター展の案内ハガキも刷りあがってきていて、あとは発送するだけでした。会期中には、安西水丸さん新谷雅弘さん両先輩とぼくの三人で、ペーター佐藤をめぐる思い出のトークショーをする予定もありました。
そして去年、そろそろペーター展の計画を見直そうかなと考えはじめたやさきに、水丸さんは急逝してしまった。もう水丸さんと、ペーターの昔話で花が咲くということもなくなってしまったんだ…。それがぼくには心残りです。
水丸さんとパレットクラブ→[id:osamuharada:20140327]