沖縄ノート

osamuharada2015-04-03

沖縄は、もうすっかり初夏のようです。窓をあければ吹きこむ風が心地よい。こちらでは春から梅雨入り前までの「うりずん」とよばれる、爽やかな季節なのです。ブーゲンビリアやハイビスカスがすでに真っ盛り。のどかな本島最南部に寓居していると、北部の辺野古問題や、中国人と台湾人であふれかえる那覇も遠いところのように思われる。
しかし沖縄にしばらく寄寓してみると、つくづく軍事的植民地としての暮らしぶり、というものに思い至る。本土復帰などなかったかのように、いまでも日米両政権に蹂躙されたまま何も変わっていない感じを受ける。本土ではなく辺野古に新たな基地を押しつけるなど、沖縄の歴史を考えれば許されることではない。これがアベ&アソー薩長政権による「琉球処分」でなくて何だろう。
沖縄では、毎日どこかで、第二次大戦中に日米両軍が残した不発弾の処理が行われている(年間600〜700発)。処理班のトラックがサイレンを鳴らしながら通り過ぎるのを何回も目撃した。戦後七十年たっても、危険な不発弾処理は終らず、この先何年もかかるらしい。しかもこの処理にかかる費用は国と沖縄の折半で、不発弾がどこにあるかを調査するには、その調査費用をすべて民間で支払わねばならない。なぜ最大の被害者である沖縄が払わなくてはいけないのか、まったく腑に落ちない。
アメリカが占有している軍用地は、日本国がタダで提供している。いっぽうで沖縄の一部の地主は、その軍用地を国に貸して多額の借地料を毎年もらっている。いまや軍用地主は働かずして沖縄トップの富裕層になってしまった。その軍用地主たちは4万7000人。彼らにとっての基地返還は、ありがた迷惑であるらしい。不動産屋の広告には軍用地の売買が目立つし、沖縄の銀行では軍用地ローンとして投資をすすめている。ここでは返還されにくい土地ほど高くて人気があるそうだ。何でもカネにする人たちがいる。沖縄本島の人口約140万人。格差はますます広がっている。
北部の、むかし米兵相手の基地の街は、いまやどこもシャッター街になり果てている。逆に開発がすすむ中部や那覇は、本土からやってくる企業や資本家の経済的植民地と化している。大阪からはお笑い吉本興行が勢力をのばしてきた。カジノ法案が通れば、一大歓楽街になることを見込んでのことだろう。平和憲法を改悪すれば、日米合同軍のアジア最大の前線基地にもなるだろう。
そういえばまだ沖縄のリゾートホテルに泊ったことがない。美しい海岸のすぐ背後には、有刺鉄線が張られた米軍基地があるから、ぼくにはとてもリラックスなどできそうもない。もっとも近頃は日本中どこにいようが薩長政権のせいで、落ちつけないのだが…。だからもちろん I am not ABE です。