台湾外食事情

osamuharada2015-02-20

去年はハズレが多かったから、今年はどこかまた旨い店を探してみるかなと思いなおし、いくつか〈食べある記〉。
まず本格的な【 台湾料理 】と銘打ってあり、しかも台湾で一番古い「老舗」と称する店へ。チェーン店もいくつかあるらしいが、本店を予約していってみた。台湾(中華民国)の歴史は浅いし、店は70年代にできたそうだから、老舗とよぶのはいかがなもんざんしょ? 
広い店内はたちまち満員になり、周囲は団体の日本人客でいっぱいに。メニューは日本の中華飯店となんら変わりがない。適当に注文してみたが、肉、魚介、野菜など素材がそもそも旨くはない。調理でなんとかカバーできているかというと、それも平凡だ。薬膳鍋のようなのが有名だと聞いてたのんだが、出汁にツーンとくる強い中国酒がタップリ入っているので、鍋だけで酔っぱらったじゃないか。ここでは、からすみの炒飯だけが旨かった。しかしチャーハンとは、そもそも敗戦後の横浜中華街で発祥したものですよね。店の残飯を炒めただけの、もとは料理人たちが食べていた「まかない飯」じゃないの。いつの間にそれが「台湾料理」になったのかよと聞いてみたかった。「からすみ」は日本の三大珍味のひとつだけれど、台湾でも名産品だから、まあこれは旨かったし許せちゃうかな。十年ものの台湾紹興酒も旨いです。そしてデザートの杏仁豆腐もここは有名だというので、満腹だったけれどたのんでみた。杏仁豆腐好きとしては、別腹を用意してある。ところがこれがひどかった。絹ごし豆腐のように口にすればサッと消え入るような食感ではなく、硬いゼリー状の前歯でちぎってなお噛みごたえある異なものだった。アーモンドの香りすらない。しかしこれこそ本場の杏仁豆腐である、と当店自慢の逸品なのだそうだ。ついでに店員たちの雑な応対ぶりも台湾式なのだろうかと店を後にした。値段は高くて、ここもハズレ。
次はまた本格的【 雲南料理 】と評判の店にいってみた。ここも予約をとるのが大変らしい。案の定お客さんの三分の一は日本人でした。ここは淡白な塩味の日本人好みの味覚だが、やはり素材そのものの旨味にとぼしい。グリーンピースが上に浮いたスープがお洒落らしく、日本女性の間では評判(みなスマホで真上から撮る)だが、ダシがたよりない澄まし汁といった感じか。真菰と海老の炒め物、マコモって食べた記憶がなかったので頼んでみた。真菰には何の味もしないことだけは解った。麻婆豆腐は激辛だけどご飯と食べれば中和するといわれて食べたら旨かった。杏仁豆腐はやや硬めで、アーモンド香なし。店員のオバちゃんたちは必要以上に親切である。食べている横から、どふだ美味いか?うちの自慢の一品だから美味いはず、さあどふなのだ? とうるさい。値段はまあ良心的。店内は清潔。ハズレではないが、一度でけっこう。
その他、小籠包の店、杏仁豆腐専門店、いろいろ試したがみなハズレ。結局、去年もいった台湾産オーガニックの『東雅小厨』が良かった。創作中華料理ながら、どれも食材の味覚が飛び抜けている。杏仁豆腐なしですが、ここならオススメです。→ [id:osamuharada:20140315]
【余談】 連日、中華料理では飽きるといっても、カフェやホテルではパンがまずいし、和食は素材がダメだから問題外。あとはラーメン屋があるにはあるが、もとより好きではない。学生の多い繁華街を歩いていたら、上の写真右の派手な『 銀座拉麺 』という店が目を引いた。可楽(コーラ)が無料で飲み放題というのもウリらしい。ラーメンはすべて白濁の豚骨スープで、その上に日本風の豚カツがどかんと乗るラーメンもある。台湾臭でむせかえりそう。それに真っ赤なペンキ塗りの店、どこが銀座なのか? 台湾人もかなり麺好きのようですが、屋台で食べるのは、ベトナムのフォーみたいな米粉麺も多いようです。日本で発明されたラーメンには、まだ馴染みがないのかあまり流行ってはいない感じ。わが日本では「ラーメン」が「猫」とともに二大トレンドになっているのを知らないな。それにしてもこの写真の繁華街。レトロでエキゾチック。ブレードランナー的なカオス世界だと思いませんか。ぼくならここを観光名所に推したい。拡大写真→http://osamuharada.tumblr.com/