ティツィアーノの紙幣

osamuharada2014-08-30

ルネサンス最盛期の画家、ヴェネチア派の巨匠ティツィアーノ作品を見たくなり、三十年以上もむかしイタリア美術旅行をしたことがありました。当時のイタリア国内で流通していた紙幣には、ダ・ヴィンチをはじめ、ミケランジェロラファエロなどの作品と画家の肖像画が印刷してあった。そして我が憧れティツィアーノ紙幣もあったのです。このお札の表には初期の傑作『聖愛と俗愛』、裏(この写真)には、ティツィアーノの肖像が掲げられている。20000リラ紙幣。嬉しくなって、これだけは使わず持ち帰り、ながらく額に入れて飾っておきました。
あの頃の、日本の千円札のほうは、日本最初の総理大臣・伊藤博文のツマらん肖像だったので、余計にイタリアの紙幣が羨ましかった。イタリアには芸術を愛する国民性が確かに存在していたようです。しかしその後は無機質なユーロ紙幣に変わってしまったのでガッカリ。イタリアも芸術よりはカネ優先の国になってしまったわけか。単一の通貨ができれば、つまりカネというものに国境がなくなれば、やがて世界は少数の金融支配者たちによって統一支配されてしまうだろう。
日本のお札も、いつかはアジア単一通貨に統合されるのだろうか。そもそも明治維新のすぐ後、伊藤博文アメリカ・ワシントンに行って、むこうで何らかの指示を受けて帰り、ほとんど一人で決定したのが日本の通貨「円」だ。これでもほんとに日本のカネといえるだろうか? そもそも「日本銀行」は日本国家が経営する銀行ではなく、いまも民間の会社にすぎないのだ。ちょっと前の百科事典には、「日本銀行」の株主は非公開だが外国籍の人が45%の株を持つと書いてある。外国人が株主にいる日本銀行。日本は金融的植民地と考えたほうが解りやすい。
「円」を好きなだけ刷りまくる特権を独占している日本銀行は、よく「銀行の銀行」といわれる中央銀行だけれど、つまりは「金貸し」の親玉みたいなもんでしょ。アベもお友達を日銀総裁に送りこんだので、いくらでも融通してもらえちゃう。そのカネを血族親族の団体や軍産複合体企業などに又貸ししてやる。しかもその借金の利息は、国民から搾り取った税金で日銀に払っている。つまり国民そのものが借金の担保物件にされているようなものなんだね。ゆっくり美術の話をするつもりが、下世話になってしまった。これまた長州の総理大臣たちのせいです。
9月4日 蛇足ながら追記:今日も、金貸しの親玉が借金返済の催促をしている。NHK NEWS WEB→ 日銀の黒田総裁は金融政策決定会合のあとの記者会見で、消費税率の10%への引き上げについて「引き上げが行われない場合、政府の財政健全化の意思や努力が市場から疑念を持たれかねない」などと述べ、税率の引き上げが予定どおり行われることが望ましいという考えを示しました。