書道コンクールと税金

osamuharada2014-01-18

山の温泉へ向かう道すがら、ローカル線の駅舎にて、小学生の書道コンクール受賞作が展示してあったのを見て(この写真)、思わず吹きだしてしまった。ネットで検索してみたら国税庁が主催する全国的なコンクール。他にも「増税」や「確定申告」「振替納税」という文字があったそうで、冗談なんかじゃなく大マジメ。もし「脱税」と書くような小学生がいたら、書はうまくとも落選は確実だな。
今年は、めでたく消費税の「増税」を記念して、テーマを【徴税】にしてみたかったのでしょうか。この調子でいくと、来年の小学生書道コンクールは、防衛省の主催で、いよいよ【徴兵】がテーマになるかもね。「七生報国」だの「八紘一宇」「靖国神社」と書けば、イシバ大賞なんてのが貰えそうだ。「皇軍」「撃ちてし止まむ」「神風特攻隊」とでも書けば、タモ神大賞もありうる。ただし「反戦」「徴兵拒否」などと書いたら、小学生といえども往復ビンタの【懲罰】がくだりそうだよね。ついでに担任の先生は【懲役】に処せられる。
古本屋で買った『うたでつづる 明治の時代世相』(大久保慈泉著)という本を読んでいたら、【血税】について書かれていた。これは国民が血と汗で稼いで納めた税金というような意味だろうと思っていたが、違っていました。この言葉は明治五年に出た【徴兵令】の文中に初めて出てくるという。《 人たるもの もとより 心力を尽くし 国に報ぜざるべからず 》とあって、税金を納めるかわりに兵隊となり、お国のために戦って血を流せということ。欧米の《 西人これを称して「血税」といふ 》らしく、《 その生き血をもって 国に報ずるの謂いなり 》と。つまりは国民皆兵のことなんだけれど、ところが《 これに驚いたのが地方人である、「血税というからには、税金を血液でとるのだ、その証拠には生き血を国に報ぜよといっている」とさわぎだした。「さかさにつるして血を取り、西洋人に飲ませる」とか「軍隊の赤い毛布は血で染める」などと噂が全国にひろがり、各地に一揆が起こり 多くの死傷者を出したのである。》っていうようなトンデモないことになってしまったのね。これが明治六年に起きた「血税騒動」。よく考えたら、兵役が【血税】っていうのも凄い言葉だね。この言葉なら小学生書道コンクールで金賞がとれちゃいそう。