映画で息抜き

osamuharada2013-10-17

今年もいくつか映画館で映画を観ているのですが、このままでは(個人的に)不朽の名作として心に残るものがないまま、一年が過ぎそうです。先週から所用で東京にいて、あい間をぬっては映画を観ているところです。
ぼくの〈 好きな女優で観る〉のノオミ・ラパス出演で、好きな監督ブライアン・デ・パルマ ひさびさの新作『パッション』を観た。日比谷「みゆき座」にて、しかし平日で観客15人くらいとは映画産業ちと斜陽すぎる。可哀想にも、あの『ミレニアム』のノオミ・ラパスにはどう考えたって似合わない配役、これミスキャストでしょ。こんな気弱で不安神経症の彼女はありえない。かてて加えてデ・パルマ監督、年老いてすっかりモウロクしたようだ。ラスト・シーンに、自身の昔の名作『殺しのドレス』の「夢落ち」をわざわざ持ってきちゃうとはね。いつまでも過去の栄光にすがってちゃダメですよ。この映画『パッション』は、先日WOWOWで観たフランス映画『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』(2010年)のリメイク版だそうだ。サスペンスとしてはB級だが、まだ本家のほうはキャスティングが良かった。『サラの鍵』の名女優クリスティン・スコット・トーマスが特にいいなと思った。
実は、先月と先週と今週も、好きだった知人の突然の訃報があい次ぎ、ただもうご冥福を祈るばかりで、なんとも果敢なくやるせなく、映画でも憂さばらしに観ようかなと思って観ているのです。こういう時には、つまらない映画でもなんとか救いにはなる。こうやって後でケチつけることだって気分転換(お付き合いスイマセン)になっています。
今日も今日とて、深川は木場の I-MAXシアターで『エリジウム』を観てきた。大劇場に観客たったの5人。主役は好きなマット・デイモン。彼は文芸作品もいいが、なんといってもアクションの「ボーン」シリーズが最高。なのでSFとはいえ、アクション物でほんとはスカッとしたかったわけだよ。ところが案の定オコチャマ向けの、CGロボットどもとの闘いに明け暮れる場面ばっかし。こんなものはせいぜいiPhoneアプリかなんかのゲームですませろよ、と言いたくなってきちゃうだろ。キューブリック監督『2001年宇宙の旅』の回転式宇宙基地をパクった、宇宙理想郷CGのセコいのなんの。CGがかえって現代映画をダメにしている元凶なのでは、と考えさせられた。それにわざわざ大画面の大音量なんかにして観劇させるような話じゃないぜ、というのは確かだ。いまの日本じゃ漫画アニメまでが「映画」の範疇に入っているらしいが、ハリウッドでは子供ゲームまでも「映画」と呼ぶらしい。本当の「映画」はどこいった。映画館を出て、わびしき木場のイトーヨーカ堂の通路を歩いていたら、看板だのネオンだの店舗インテリアまでが、コレじゃまるで遊園地だろッ、とついつい文句の「小言幸兵衛」(by三遊亭円生)になってしまうのでした。