PEACEMAKER

osamuharada2013-09-30

NYのメトロポリタン美術館で、拳銃が展示されていたのには驚いた。西部劇ファンならお馴染みのコルト・ピースメーカー(写真下)。誰でも保安官ワイアット・アープ(OK牧場の決闘)を思い浮かべるはず。ヤツガレもバカな中学生時代に、このモデルガンをアメ横で買ってしまったので情けないが懐かしい。しかしこの本物のほうは今でも銃砲店やネットで同じ型を売っている。現役バリバリの実用ピストルじゃないか。刀剣や火縄銃のように古美術として眺めるには、まだ新しくて生々しすぎる。というより「美術」として眺めて鑑賞するような気分にはとてもなれないよね。つまらん現代美術なんかよりは、よっぽどリアリティがあるけれど、だからといって美術館に本物のピストルとは物騒だな。
さすが原住民を銃で殺し、土地を略奪して伸し上がった新興国アメリカだけのことはある、とついでにヘンな感心までしてしまった。日本じゃ江戸時代の頃に建国、まだほんの短い歴史しか持たない国アメリカ。先日ニュースでは、珈琲チェーン店の「スタバ」が、全米で店内への「銃器持ち込みおことわり」を要請したという話題。アメリカでは一般家庭でもフツーに銃がある(ハワイ州が一番少ない)のだそうだが、喫茶店で鉄砲なんか持ってる奴がいたら、おちおちコーヒーブレイクなんぞしちゃいられないよね。ついこないだも小学校で銃をぶっ放したクレージーな輩までが、町でゴロゴロしているというのに。
在米映画評論家の町山氏によると、全米で一日平均28人以上が銃によって殺されているのだそうだ。一日だけで、ですよ。ネバダ州などは、一般人でもマシンガンを所有できちゃう。あれなら一度に28人でもやれるだろうけど、西部劇どころかギャング映画の世界だね。アメリカには、軍と警察以外に、約3億1千万梃の銃が存在しているというから、数では全米人口よりも多い。軍需産業は世界一だし、こんな物騒なお国が日本(植民地)の宗主国なのだから、明治維新からずーっと同じ売国薩長政権(アベ&アソー)が、いまだにダラダラと続いているわけだ。それにしても拳銃に「PEACEMAKER」とは、ブラックジョークだな。原子力の「平和利用」みたいなものか…。