風吹かば

osamuharada2013-09-22

「風見鶏」=中曽根元総理大臣のニックネーム、という悪いイメージ(親米・改憲原子力ムラ)があったので、自分で「風見鶏」を取り付けるとは思ってもみなかった。ところが日常の風向きが気がかりになり、探したら鶏のかわりに犬のがあったので、これならまあいいやとアトリエ屋上に設置した。わざわざ風向きを調べる理由は、東京電力福島から2年半たった今でも放射性物質が間断なく飛散しているからに他ならない。海への汚染水ダダ漏れだけじゃないのですよ、空もまだ汚され続けている。収束やコントロールなんてできるわけがない。北風が吹く日は、カウンターで測量してみると若干空間線量が上がるので、窓を閉めて外には出ないようにしています。南から吹き続ける風ならOK。しかし風向きで行動を左右されるなんぞ腹立たしい限りの人災だが、ともかく呼吸するだけで内部被曝なんかしたくはないもんね。
この風見鶏犬を見ていたら、なんとなく犬の姿が「あえて風に向かって立つ」といった悲壮な感じがするので、こんどは子規の「風吹かば」を連想して、また悪いイメージがしてきた。海軍の秋山真之正岡子規が贈った有名な歌《 戦をも厭わぬ君が船路には 風吹かば吹け 波立たば立て 》ってのが大嫌いなのです。軍人なんか讃美するなよな。どうもこのごろは極右政権に戻ったせいか、左翼でもないのに無理して反戦原発と口に出して言わざるをえない時代になってしまったのが嫌だよね。ただ放射能(病と死)や、戦争(合法的大量殺人)からトンズラしたいだけなのにな。《 風立ちぬ いざ生きめやも 》ポール・ヴァレリー