いつでも夢を

osamuharada2013-08-24

早起きの孫は、朝七時過ぎになると、もう待ちきれず起こしにやって来る。「ジジ『あまちゃん』はじまるよ。」というのが彼の常套句だ。TVドラマなど普段は見ないが、おかげで『あまちゃん』は毎朝見てしまう。爺の感想としては、アイドル話はともかく、ワキで古田新太秋元康パロディ役がとても面白いな。宮本信子の夏バッパと橋幸夫のエピソードも愉快だった。全体をコントでつなぐような連続ドラマだね。なかでも挿入歌『いつでも夢を』が懐かしい。
吉永小百合橋幸夫のコンビで、1962年に大流行した『いつでも夢を』をYouTubeで聴いてみる。高校に出かける朝に、いつもラジオから流れていたのを、始めはダサいなと思いながらも、つい口ずさんでしまうようになった愛唱歌。歌詞はいまでも憶えている。《 星よりひそかに 雨よりやさしく あの娘はいつも唄ってる》橋幸夫はやはり演歌調、小百合ちゃんはアイドル元祖(歌はヘタでもOK)という感じですね。《 言っているいる お持ちなさいな いつでも夢を いつでも夢を 》の「言っているいる」ってところが、なんだか可愛らしかったな。
この頃のナマイキ高校一年生としては、もっぱらジャズ・メッセンジャーズやら、シナトラ、レイ・チャールスなど洋物を聴いてはツッパっていたので、『いつでも夢を』はさすがに時代錯誤の歌謡曲と感じていた。次の年に大ヒットした舟木一夫『高校三年生』にいたっては、戦前の田舎高校生かよと違和感があったが、いま思えば、敗戦後ゼロからスタートした日本が、やっと経済成長の兆しが見えてきた時代の空気感がよく出た歌謡曲だね。貧しくとも健気で、未来はまだ明るく、それこそ「いつでも夢」がある平和な時代だった。
上のTシャツは、ニューヨーク市立図書館で売っていた、孫への土産と同じもの。二つ買ってサイズの小さいこっちは自分のコレクション用にとっておいた。フランスで最も有名な絵本『象のババール』のプリント。これは二代目(息子)のロラン・ド・ブリュノフさんが描いた絵なのです。あいにく、孫はまだ『ババール』にも『あまちゃん』にも興味を示さないが無理もない。団塊世代が聴いていた『いつでも夢を』は、娘でさえ「なに、この変な歌?」と言っているいる、くらいだから…。時代はどんどん変わっちゃうのだね。