行水絵日記

osamuharada2013-08-17

夏休み後半は、孫の夏休みにつきあっています。家のなかでベットリまとわりつかれると、ことさら暑っくるしいので、ベランダにビニールのプールを出してやり、【行水】させるのが日課です。これはヤツガレにとっても、子供の頃の懐かしい夏の風物詩。ビニールプールなどなくて、こちらの時代は裏庭にて洗濯用の盥(たらい)でした。犬まで一緒に水遊びしていたな。江戸時代の子供だって【行水】で猛暑をやりすごしていたでしょう。春信の美人画にもありましたね。空に向かって散水すれば、美しい虹ができて子供は大喜び、これも昔から同じ。
【行水】で思い出すのは、小学4年の夏に、頼まれて「絵日記をつける」というような教育番組(日本テレビ)に出演してしまったことです。絵の上手い子供として選ばれて、自分で描いた夏休みの絵日記を披露し朗読する役目。まず始めに、もう一人の女の子と芝生のようなスタジオセットに座り、黙々とスケッチしているタイトルシーン。その後、絵の先生とアナウンサーの対話があり、次はいよいよ自分のスケッチブックの絵を前にかざし、大きな声で日記を読むときが来た。もちろん生放送の時代で、本番一発だから失敗は許されない。緊張のあまり、何をどうしたか忘れたが、恥ずかしさだけが強く印象に残っている。絵日記を立ったまま朗読するなどワザとらしいじゃないですか。その時に描いた絵日記が【行水】なのでした。盥に入っている自分と飼い犬ポニーが水遊びする之図。テレビはモノクロ時代でしたが、パステルと水彩でカラフルに描いた。我ながら良いモチーフと思ったものか、後でキャンバスに油彩で描き直したから、はっきりと【行水】図だけは憶えているのです。文のほうは記憶なし。出演料のかわりに、地味な灰色の「日本テレビ」ロゴ入り写真アルバムをもらった(嬉しくはなかったけど)。そしてこれが最初で最後のテレビ出演。みっともないことをしてしまったな、と子供ゴコロにひどく後悔した。
猛暑続く今年の夏。【行水】ならば「節電」になるし「冷房」の電気代もかからない。クーラー嫌いの熱中症対策にもオススメです。しかし、去年はあんなに「節電」せよ!とマスコミをあげて連呼していたというのに、今夏は死にたくなければ「冷房」しろ!とは矛盾してるよね。去年は、関西電力原発再稼動のための「節電」騒ぎだったけれど、電力は足りているどころか充分余ったので、今年はナリをひそめた「節電」空騒ぎ。実にいい加減な国ですな、いつもダマされてばかりいる国民もね。 ひと騒がせなる去年の節電→[id:osamuharada:20120830]