公園スケッチ

osamuharada2013-07-01

セントラルパークを歩いていたら、「青空絵画教室」という感じの団体さんを見つけた。こんな眺めの良いところにイーゼルをたてて本格的なスケッチなんて、さぞかし楽しいだろうなァ、と羨ましく思うのが美術好きの本能ってところでしょ。どのくらい絵が上手いかなと気になり、ヤジウマでそっと覗いてみた。
どうやら絵の先生らしき女性が、描法について講釈をしながらの実技指導のようだ。生徒のみなさん真剣な面持ち。先生の側から眺めたらどんなに素敵な公園風景になるのかな、と絵画教室の後に廻ってみたら、ビックリしてしまった。
先生のキャンバスに描かれていた絵は、イーゼルの上にピンナップされたどこかの海の風景写真を、そのまま写したものなのでした。生徒さんたちのイーゼルにも各自まったく同じ海の写真が配布されてあり、先生よりちょっとヘタだけれど、同じくエメラルドグリーンの海風景が描かれている。みなみな公園風景ではなく、先生の海の絵の方向にイーゼルをたてていたわけか。わざわざセントラルパークまで出張してきて、なのにそろって熱心に海の絵を描いているのだ。これじゃまるでソウル・スタインバーグの CARTOONじゃないの。思わず吹き出して笑ってしまったら、ちょっとにらまれてしまった。ニューヨーカーって不思議な人たちですよね。
これならアトリエで描いたほうが集中できるだろうにと思ったけれど、ヤツガレもわざわざ公園で煎茶の野点などをやってきた手前、笑っちゃいけないよね。