書斎日誌

osamuharada2013-05-25

今年も半分過ぎてゆく。早くも保守本流というか、右寄りアベ&アソー政権が復活して間もない。むかし読んだ『閨閥』(けいばつ)という本(絶版)をひもといてみると、このアベとアソー太郎の二人は親戚だというのがよくわかる。しかも総理大臣だらけの親戚だ。
アベの大叔父さん・佐藤栄作(元総理大臣)のカミさんは、アソー太郎の叔母さんの亭主と〈いとこ関係〉だ。ややっこしいけど、さかのぼるとみんな政略結婚の女系でつながっていて、つまりこれを〈閨閥〉という。血縁優先の同族会社みたいなもんだよね。平安時代なら藤原氏か。母系による世襲制のブランド。 
アベの母方爺さん岸信介A級戦犯で元総理大臣)と、佐藤栄作の兄弟は、長州(山口県熊毛群田布施)の出身。この田布施(たぶせ)の近所からは、他に松岡洋右(満鉄総裁で元外相でA級戦犯)が出ていて、くだんの〈いとこ関係〉とさらに女系でつながっている。これまたアベ&アソー両方の姻戚。 ラストエンペラー満州国を実質支配していたのは、岸信介とこの松岡洋右。それに鮎川義介(日産と日立社長)で、俗に「満州の3スケ」とよばれていた怪しげな三人組。さらにこの鮎川のいとこの娘は、岸信介の息子(アベの叔父さん)に嫁入り、またまたつながっちゃう。鮎川義介の母親は、井上馨鹿鳴館つくった)の姪っ子にあたるから、みーんな明治の〈長州〉勢力だね。140年前からずっとガッチリ同じ血族。
アソーのほうは〈薩摩〉(鹿児島)の大久保利通がひいひい爺さんにあたる。大久保の孫娘が、吉田茂(元総理大臣)爺さんの女房だ。とゆうことはですよ、アベ&アソー政権は、明治維新の〈薩長連合〉の現代版だね。アソーの妹は三笠宮寛仁殿下にお輿入れめされたから皇室ともしっかりつながる。明治時代からの最高級ブランドであらせられます。どおりで大日本帝国憲法に似たようなモノを再興したがるワケだよ。
しかもアソーの爺さん吉田茂は、外資系ブランドも引き継いでいる。吉田茂の父・吉田健三は、慶応二年にイギリスの軍艦に乗って渡英すること2年間、帰国後は横浜で「ジャーディン・マセソン商会」の支配人になった人。もともとこのユダヤ人経営の商社は、英国が中国を支配する手先として送り込まれていた。アヘン戦争も香港植民地化にも関係アリ。もとを正せば、ロスチャイルド家関連。よく『龍馬伝』なんかで、明治維新は長崎のグラバーが軍需を手伝って成功したなどと言われているが、そのグラバーは、上海が本店だったジャーディン・マセソン商会の、長崎支店長にすぎなかった。そして吉田茂の父は、横浜のほうの支店長というわけ。その横浜店は鹿島が建築した。だから明治の軍産複合体は今でも健在なのだ。
閨閥』の著者は《特権閨閥の一族となった者は、さらなる富と権力を肥大化させ、われわれがあずかり知れないところで、日本社会を目に見えぬ形で支配し、われわれは一生庶民として“働きバチ”(納税者)の役割を担わされているということなのだ。》と語る。民主主義や平等主義は、庶民同士のなかでのみ通用するかもしれないが、支配者階級は封建主義のままで、庶民とはたんなる賃金奴隷と見下しているのだろう。さて、その庶民ヤツガレも、昨日は固定資産税と軽自動車税を、特権閨閥さまに上納してまいりましたよ。払わないと、この書斎もスズキワゴンRも全部没収されちゃうもんね。