築地ノラ猫情報

osamuharada2013-04-24

【猫好きの方のために】
築地パレットクラブの私道に住いするノラ猫たちは、現在3匹になっています。世代交代があり、いまここで一番ハバをきかせているのは、子供の頃に誰かが捨てていった黒猫のクロちゃんです。いまや人なつこく近隣で皆から可愛がられている。食べ物が豊富なせいか、小顔と可愛い声にくらべ、図体だけがでっかく成長している。長い尻尾のシルエットは、ロートレックが通ったキャバレー CHAT NOIRのポスターのようだ。
このクロちゃんを、子供時代にさんざんいじめていた最古参の三毛猫オバーチャンは、老齢とともに自分よりも大きくなったクロちゃんから逆襲の憂き目にあってしまった。見るにみかねた隣の高級珍味店「喜多品」さんが、朝昼は帳場の籠に入れて現在オバーチャンの安全は確保されている。店を閉めたら夜は自宅に連れて帰ってくれるので、年老いてからの通い猫となりました。
3匹のうちもうひとりのアキオは、過保護だった母親ホオズキちゃんと、いつもかばってくれた妹のアキちゃんに先立たれ、現在は孤独の身になってしまった。他の猫とは最初からうちとけない。夜はどうやら裏通りのお寺さんの墓地を根城にしているようだ。出家でもしたつもりなのだろうか。昼すぎになると、托鉢の僧のように飄然とあらわれる。白地に黒の柄が「墨染めの衣」に見えなくもない。尻尾は短く曲がっていて、関東のノラ猫の特長を立派にそなえている。猫なのに三白眼で、オドオドした態度はどこか不気味な感じがするが、ぼくはそこに魅力を感じる。こんな雰囲気のある猫はほかにはいない。
むかしから毎週日曜日の午後には、遠くから猫好きオジサンがやってくるのを、アキオたちはいつも心待ちしているようだ。しかしオジサンの話では、持ってきた食べ物が無くなると途端にアキオは消えちゃうから、最も旨いものは最後までとっておくのだそうだ。アキオもそれを知っていて、シメのメニューが出るまでは、オジサンを独占してピッタリくっつき離れない。腹まで見せてゴロンゴロンしちゃう。その時ばかりはクロちゃんでさえもそばには寄らせない。というようなノラ猫3匹の近況報告でした。
前に書いた、築地ノラ猫情報 → [id:osamuharada:20100121]