機上にて

osamuharada2012-12-25

曇り空の那覇空港を飛びたって、しばらくすると雲海の上に出た。どこまでも晴れ渡り、青空以外に何も無いところがいっそスカッとして気持ちよい。またちょっと短い旅にでる。
空を眺めながら、暮れようとしている今年一年を振り返えってみようとしたが、つい今月に起きたばかりの政変が明日への暗い予感となり、心に重くのしかかってきた。ほんとうに日本人は、極端に右傾化してゆく社会を望んでいるのだろうか…。
3・11はまだ昨年のことだというのに、何よりも経済が最優先するのでは、あまりにも浅ましい。経済のために原発推進をしたつもりが、結局は取り返しのつかない人災まで起こして元も子もなくしてしまった。それでいて反省もなく再稼働をし、お次は経済のためなら戦争をも辞さないというのではあまりに短絡的すぎる。支離滅裂だ。
戦後アメリカから押し付けられたにせよ、現在の平和憲法のままで十分ではないか。むしろ戦争放棄こそ他国への範となるべきことではないだろうか。それでも戦争が大好きならば、スポーツやゲームで気を紛らわせておけば済む。リアルに他者を殺してまで得ようとする価値が経済にあるとしたら、強盗殺人犯と大差ないだろう。
国家間の戦争でなら、人間が殺しあっても合法だとは、いったい我々は進歩的な近代人といえるだろうか。日本史をかえりみれば、二千年前の戦闘に明け暮れた弥生時代古墳時代から始まって現代にいたるまで、何も変わっちゃいないことになる。それより紀元前の、縄文時代一万年間には戦争というものが一切なかったことを忘れないで欲しいな。我々の祖先は、複数の民族が互いに助け合いながらユックリと混血し、仲良く一万年もの長大な時間をかけて日本民族を形成してきたではないか。この豊かな歴史に比すれば、つまらない戦争など子供の喧嘩にすぎないじゃないか…。などと青空のなかを飛行しながら、とりとめもなく考えてしまいましたよ。