抜本的な夏

osamuharada2012-08-30

暑かった今年の夏もようやく過ぎようとしている。島では蝉の声がおとなしくなってきた。ときおりひんやりした風が部屋に入ってくる。
こないだお盆でちょっと東京へ戻ったときには、ヒートアイランドの異様な熱さに驚いた。コンクリートの外壁が夜になっても高熱を発していて、体温より熱く感じた。高層ビルの居並ぶ都会は、もはや夏に人間の暮らす場所ではなくなっているなと思った。
おまけに無意味な「節電」キャンペーンのせいで、デパートや映画館、ギャラリーや店舗、地下鉄の駅など中途半端に生暖かくて気色悪かった。空気がよどんで息苦しい。ヤツガレの堪えがたきは都心の熱帯夜というもので、しょうがなく大嫌いなクーラーをつけて寝る、という不快感で寝不足になってしまった。所用を済ませてさっさと島へ逃げ出した。自然のなかで日陰にあれば涼しくて、夜は窓をしめてぐっすりとよく眠れる。
今夏の「節電」といえば、関西電力・社長のヤギいう男が、夏には電力が25%の供給不足になるさかい《 抜本的な対策とすれば、原子力の再稼働しかない 》のやで、と関西人を恫喝して、大飯原発二基を強引に稼働させた。ところが八月の猛暑日でも、逆に電力は20%以上もあり余るという結果が出てしもた。これってようするに詐欺やろが、アホんだら。ともかくこの事実で、日本中どこの原発も、再稼働など今後まったく必要ないのだということがめでたく証明されたわけですよ。《 抜本的な対策 》もクソもあらへんわ、このすかたんペテン師社長! 早よ、無用の大飯原発を止めんかい、とか言ってみたい。
今夏、再稼働騒ぎの関西電力が、不足どころか逆に原発なくとも電力余裕があったというGOOD NEWSは、東京新聞とテレ朝だけがきっちり報道した。しかし電力会社さまが大スポンサーであるフジ産経や日テレ読売はスルーしたようだ。おまけに公共放送のはずのNHKまでが、例によって知らーん顔でトボケまくる。「節電」に「クールビズ」、やれ「経済問題」をどうするだのと、さんざんデタラメ報道をした手前、今さら電気は充分に余っていましたなんて、みっともなくていえないのだろ。一体ジャーナリズムはどこにあるのか? とうとう腐臭までただよい出してきたマスゴミ界。お先棒かついだエダノ&ホソノも反省の色なし。かにかくに関西の熱き夏も終わりぬ…か。アホくさ。