ノオミ・ラパス

osamuharada2012-08-26

《好きな女優で映画を観る》という小林信彦さんスタイルを、ぼくもちょっと真似してみたかった。二年前の『ミレニアム』シリーズで、すっかりファンになったスウェーデン女優ノオミ・ラパスの最新作『プロメテウス』。再び新鮮な驚きとともに、その演技力に魅了されてしまった。
しかもあのリドリー・スコット監督での主演映画というからには、好きな女優と監督が二人並んでいる。さらにこのSF映画は、監督の代表作となったあの‘79年『エイリアン』の前章にあたるストーリーだから、33年ぶりになる。オールドファンとしてはもうたまらないよね。〔この傑作『エイリアン』を知らない若い人は、見てもさっぱり解らなくなるのでご注意!〕
そしてなんと3Dで、IMAXの超巨大スクリーン上映とは凄い。東京では木場の109シネマズで観られるというので、暑いさなかのロードショー初日にすぐいってきましたよ。これで女優・監督・エイリアン・3D・アイマックスと好きなものが五つも出そろったわけ。脇役にまわったシャーリーズ・セロンも渋いよ。これだけテンコ盛りで、たったの千五百円(シニア)とはね。
『プロメテウス』アイマックス版の映像は、まずタイトルシーンから美しく圧倒的だ。エンターテインメントの巨匠らしき風格さえある。いままで観てきた立体映画はB級キワモノ的なものばかりと認識していたのが一新され、いつの間にか自然に見えてくるところも気持ちよい。音響効果の空間表現も完璧の域に達して素晴らしい臨場感。以前ブログに書いたようなコドモだましの3D&IMAXとはぜんぜんケタが違うのね。→[id:osamuharada:20110130] 空想世界が迫真のリアリティを持つので、思わず大画面にドップリと浸ってしまって抜け出られなくなる。映画の醍醐味というものはこうでなくっちゃな。
後半からの女丈夫ノオミ・ラパスが連続して見せるアクション・シークエンスの快感は、これぞ娯楽映画!とトシガイもなく興奮させられました。スコット監督が『ミレニアム』の演技に惚れこんでノオミ・ラパスを起用したのがとてもよくわかる。監督自身が、好きな女優で撮った映画だということになる。
前に『ミレニアム』のハリウッドリメイク版も一応は観たけれど、肝心かなめのリスベット役(ルーニー・マーラ)がさえなかった。本家本元のノオミ・ラパスにはかなわない、とまた惚れなおした。次回作の監督が、これまた好きなブライアン・デ・パルマ。その次が『ミレニアム』シリーズを撮ったニールス・アルデン・オプレヴ監督の犯罪アクションものと続く。サバイバルな時代にふさわしい女優さんです。ますます目が離せなくなってきた。『ミレニアム』のノオミ・ラパス→[ id:osamuharada:20100923]