ハワイ島クニタケ・ファーム

osamuharada2012-02-20

ワイ島コナのHolualoaに、コナ・コーヒーをつくるKunitake Farmのクニタケ兄弟を訪ねました。コナの山側、ホルアロア・ヴィレッジにある妹さんの小さな美容院で待っていると、もう一人の妹さんが四輪駆動の車で迎えにきてくださった。そこからすぐの、25ヘクタールの土地がクニタケさんのコーヒー・ファーム。普通の車では入れないから、という説明がよくわかる強烈な凸凹道をゆくと、コーヒー畑のど真ん中にある作業場兼ご自宅から、日系三世のクニタケさんと弟さんが出迎えてくれた。
二人はまるで深山幽谷に住む寒山拾得といった風情。75歳と63歳のご兄弟。たった二人で、完全無農薬のコナ・コーヒー豆をていねいに育てている。使う機械は古いスタイルのままで、ケミカルなものは一切使わず、水流だけで実を剥き、種を洗う。天日干しのための建物は、大きな屋根がスライドできて、その日の天気にあわせて調節する。一週間ほど干すと、下の階の麻袋に詰めて寝かし、また数日で湿度の微調整をし、いよいよ焙煎となる。使う電気も自家ソーラー発電、と徹底しているのが嬉しい。
生活も自然体で、無理をしての量産はせず、納得がゆくまでこだわるのは、コーヒーづくりが楽しくてしょうがないからだそうだ。まるで仙人のような二人。ただ旨いコーヒーをつくりたいばかりで、売ることにまったく頓着しないから、見るに見かねた妹さんたちが、美容院や、お隣のPaul’s Place、Kimura Lauhala Shop など地元で販売をしている。それに以前ご紹介したHaleiwa Super Marketでも特別に売らせてもらっているのです。まぼろしのコナ・コーヒー。→[id:osamuharada:20110704]
英語で話す兄のクニタケさんを見ていたら、そっくりな人を思い出した。古い映画ファンなら知っているはずの、名脇役ウォルター・ブレナン。西部劇『リオ・ブラボー』に出ている、あの爺さんですね。抜けた歯の間から発声する、高音までがよく似ているのだ。キャップをかぶって、穴のあいたTシャツにジーンズ姿の弟さんは、知る人ぞ知るレゲエ界の重鎮、ECこと石井志津男さんにクリソツ。二人ともぼくの好きな人に似ていたので、より親近感を持ってしまったのでした。
コーヒー仙人のつくるクニタケ・ファームのKONA COFFEにますますハマりそうだ。ローストは、深煎りのタイプがぼくの好みです。濃いめにいれてミルクと砂糖を少々。西部劇にでてくるような典型的アメリカの、男らしく分厚いDiner Mugで飲むのがいちばん気にいっています。