日本のヒノキ

osamuharada2012-01-27

またトシヨリの無駄ばなし。風呂で欠かせない道具が、このヒノキの風呂桶と腰掛け。いつも古くなって黒ずんでくると、新しいのに買い替えてきた。島にある唯一の日用品雑貨店に行けば必ず置いてある。新調のヒノキは、せまい浴室いっぱいに木の香をただよわせてくれる。これだけは何モノにも代えがたい。ヒノキの香りの効能を一言でいうなら「気分爽快」。浴槽までが総ヒノキというhigh endな贅沢はできないけれど、せめてこの桶と腰掛けで、安上がりに大満足はできちゃう。プラスチック製やなんかは御免こうむりやしょう。
太古の昔から存在していたヒノキ【檜】というものは、日本と台湾にしかない貴重な木なんだそうですよ。どおりで大昔から、伊勢神宮も、法隆寺も、東大寺大仏殿も、総檜造りというわけだ。伊勢神宮は、20年ごとの遷宮で、常に新調を繰り返してきている。四世紀からいまだに続く、最も「古くて新しい」建造物といえる。昔はどこにでもあった、家々で祭る神棚だって総檜造りだよね。
一枚板の、無垢のヒノキのFreshnessは、新鮮さを信条とする日本料理なら最高級のまな板としても使われている。それに例えば銀座の小料理店【はち巻岡田】のカウンターやテーブルもそう。使いこんでいながら、いつでも新鮮なヒノキのぬくもりをたたえていて、手に当たるだけでもホッとした気分にさせてくれる。猪口や小皿を置くときの柔らかな感触もたまらない。清潔に毎日磨きあげているヒノキの白い肌は、料理だけでなく、日本の陶磁器やガラスの器を、より美しく見せてくれる。江戸料理の伝統を守り続ける【はち巻岡田】のヒノキには、《粋》という言葉がピッタリするな。と、まあ今日はたかが風呂桶と腰掛けから、壮大な日本のヒノキの宣伝までをしてしまいました。 ぼくの風呂カンケイの記載はこっち→[id:osamuharada:20090710]